さあ、奏でましょう。
夢と現の狭間のメロディ。
+真円の夜+
真夜中。
濁った空の夜、一匹のピグミーが起き上がった。
「・・・・・・」
目が自然と覚めた。
珍しいな・・と紺月は思う。
自分は、比較的寝つきのいいほうで、朝までぐっすりと眠れる。
こんなに真夜中に、起きたのは久しぶりか・・もしくは初めてかもしれない。
紺月は空を見上げた。
今日は曇り・・光もなにもなく、近くのモノしか見えないほどに暗い。
とりあえず紺月の目は完璧に冴えていて、二度寝できるとは思えない。
静かに紺月は立ち上がり、親友のいる島に向かった。
極力、音をさせずに島にやってきた・・が、驚いた。
その島の主であるケマリも、起きていたらしい。
「おい、お前・・寝てないのか?」
「ふぇ?紺月ちゃん??」
いきなり声をかけたにも関わらずマイペースに小さなケマリは返してきた。
「紺月ちゃんこそ、珍しいね?こんな真夜中に。」
「ああ・・。なんか、目が覚めてな。お前はどうなんだ?」
「うん?僕は故意的におきてるだけだよ。」
「・・・じゃあ、いつも寝ずにおきてるのか?夜。」
その問いにケマリはううん、と答える。
「ん〜、今日はなんとなく、かな。予感がしたから。」
「予感?」
こんな真夜中に、何の予感があるというのか。
それを聞いてみると、ケマリは
「まあ、もうちょっと待ってみてよ」
と返した。
どうせ二度寝できないだろうから来たわけだし、ケマリの“予感”というのも気になる。
二匹のリヴリーは、時が過ぎるのを待った。
ふと。ケマリが顔を上げた。
紺月も顔をあげる。
・・・ちょうど雲の隙間から光が差し込んでくるところだった。
―――――やがて、雲が全て通り過ぎ丸い月が姿をあらわした。
まるで触れれるかと錯覚させるほどの大きな、月。
「もしかして予感って?」
「うん、今日なんとなーく月が見れるような気がしたから♪」
「なんとなくかよ。」
「なんとなく、だよ。だってボク天気予想なんてできないしね〜」
そりゃそうだ。
「とりあえず折角秋になったのに満月みれないって寂しい気がしない?」
「まあ・・・風物詩だからな。」
「じゃ、いまから月見だね!」
とにっこりケマリが嬉しそうに言う。
二人でしばらく月を見る。
そして、紺月は言った。
「本当に丸いんだな、月って。」
「そーだねぇ。あ、そういえば紺月ちゃん」
「あ?」
「今日紺月ちゃんが夜中に目が覚めたのも、この月を見るためだったんじゃない?」
「いや、別に月見ようと思って起きたわけじゃねぇぞ?」
「うん。でもさ、もしかしたら体が“予感”を察知して起きたのかも?」
「ん〜・・どうなんだろうな」
真実は、定かではないけれど。
なんとなく・・そうかもしれないと紺月は思った。
―――――――空には、まぁるい、月。
ふたりを月明かりで照らしていた。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ と、とんでもなく遅くなってしまいすいません・・・っ ようやく秋ネタに入ることが出来ました・・とりあえず一番書きやすかった月ネタで。 高校生になって時間あんまりないので中々更新できないと思いますが、 がんばりますので生暖かく見守ってやってください・・!
小説書くの久しぶりすぎてキャラとか書き方とか変わってたらすいません;;
あと、随分間があいてしまったのでリクエストが分からなくなってしまいました(爆) お手数ですが、まだ「オイ、リクしたリヴでてねぇぞ!」という方は 拍手またはメールでお願いします・・・本当にごめんなさい・・・・。
ちなみに、真円は一応「しんえん」という読み方です。勝手に単語作りましたw(オイ) なんとなく、どういう意味か察していただけると幸いです。
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