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幸せの光 作者:ぷにっつ

第14回   +夏と秋の狭間+



風はふく

あるときは背中を押し、

あるときは立ちはだかり

自由に旅をする。




+夏と秋の狭間+





もうすっかり秋の風を紺月は感じていた。


「・・そろそろ行くか。」


日の全体が見えた頃、呟いた。






季節にあわせ、ケマリの島はカボチャの植木鉢になっていた。

寒さ予防か赤い絨毯がひいてある。



が、少し様子が違った。

ケマリが誰かといる。



「・・・・・?」

ケマリが他のリヴリーと話すことは珍しい。

会話を邪魔しないように、となんとなく隠れてしまう。




遠くからでよく会話が聞こえないが・・どうやら放浪者らしい。


もう一匹のリヴリーが冗談をいい、ケマリが笑った。




不思議な気分だった。

いつも自分はケマリの隣に当たり前のようにいる。

だが今は他のリヴリーがいる。


嫉妬とかそんなのではない・・ただいつもの自分の居場所が別のモノ埋まってしまった、というか・・・


嬉しいような、切ないような。

悲しいような、楽しいような。


コトバでは言えない、正体不明の感情。



風が吹いた。

すすきがなびいた。






しばらくして、その訪問者は去った。


だが、紺月は完璧に声をかけるタイミングを失ってしまった。


今さら隠れていたところからでて声をかけるのもなんだかおかしい。

どうするか考えていると、ケマリがくるりと振り返り紺月を見た。


悪いことをしていたわけではないが、少し驚く。




「紺月ちゃん、そんなところでなにやってるの〜?」


聞こえた声はいつも通りの暢気な声。


「いや、別に・・」


微妙に誤魔化しながらもケマリの横にいく。



そして紺月は突如さっき抱いた感情に気づく。


そう・・・・


羨ましかった・・・多分、彼の横に並べることが、羨ましかったのだ。



あっけなく分かってしまった感情の正体に少し紺月は苦笑する。


その様子をみてケマリが首をかしげる。



二人の間を通り抜けた風は、冷たく暖かい秋の風だった。








+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ひとまず中間テストが終わったんで更新ー。

えーっと・・大分前に『二人が喧嘩しているのが読みたい』と来てたんですが・・
すみません、コレが限界でした。つーか全然喧嘩じゃないよ!と激しい突っ込みが来そうです(うぅ・・
しかもなんだこの文の短さ。

今さらながら自分の執筆力が低いのを自覚させられます・・orz


えーと、夏の秋の狭間・・ということなのでこれより秋の話題に入らせていただきます。
受験等で更新が色々遅れそうですが・・・
影で支えてくださる皆様のために、頑張りますとも。ええ(泣藁


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Novel Editor by BS CGI Rental
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