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幸せの光 作者:ぷにっつ

第11回   +失われた星空+



自分を探す旅へ。




+失われた星空+




これはまだ二匹のリヴリーが出会ったばかりのお話。





「――――――おい。」

小柄の小さな水色のピグミーが呼びかけた。

そして小さなケマリが少し、そのピグミーへ視線を送った。


あの出会いから数日。

瞳の中の絶望の色は大分薄まったが、まだその表情は暗かった。

正直まだこのケマリの笑顔は見たことが無い。



紺月はケマリの横に座った。

元々紺月は話題をふったりするのは苦手だ。

しかもケマリは少々ふさぎ気味なので話か続かない。

今日もバニヤンツリーの木影に身をゆだねて無言の時が過ぎた。








「んぁ・・?」

紺月は体に痒さ・・というよりかくすぐたさを感じて目を覚ました。

どうやらいつの間にか寝ていたらしい。


そしてくすぐったかった原因はケマリが羽で紺月を突いていたからである。


日は完璧に沈み、もう大分暗くなっていた。

だが紺月の頭はまだ完璧にうごいておらず、体が休息を求めていた。


「なあ・・今日ここに泊まっていいか?」


ケマリがこくりと頷いた。

そのまま紺月は同じ姿勢ですぐに眠りに入った。

しばらくしてケマリも同じく眠りについた。







「・・・?」

真夜中紺月は目を覚ました。

どうやら昼から寝すぎて起きてしまったらしい。


しばらくすると闇に目が慣れてきた。

と同時に異変を感じた。




―――――――――――――影ができていた。


すでに日は沈んで灯は無いはずである。

なのに影ができるのはおかしい。


紺月は正体を掴むために木影からでた。

そして息を思わず呑んだ。



そこには無数の星が浮かんでいた。

一つ一つが輝きそれが集まり辺りを照らしていた。



優しい、包み込むようなヒカリ―――




「おい。起きろ」

紺月はケマリを起こした。

「・・・?」

紺月は手招きした。

ケマリが影に気づいたらしく、紺月の傍までよった。

上を差した。ケマリが上を向いた。

そして紺月と同じく息を呑んだ。


――と、紺月は気がついた。

少し。ほんの少しだけ――ケマリが笑ったのを。


「・・・久しぶりに空なんて見た」

久しぶりの声。

「まあな。」

「ずっと下を向いてたばっかりで空があるのに気づいてなかった・・」

「・・・。」


紺月がそっぽを向きながらいった。


「私は別にお前になにがあったかは知らないしあんまり興味もない。

 けどね――、

 下を向いてばっかりじゃ前に進めないよ。

 過去を振り返るのもいいけどさ・・過去より今、そして未来だろ?

 たまには空とか見上げたりして。じゃねぇと大切なもん、失っちまうぞ?」


意地っ張り、そして何気に恥ずかしがりやな紺月がこんなことを言うのは

ほとんど過去もこれからも無かった。


ケマリはただその不器用な、でも暖かい心の言葉を聞いて、

見失っていた自分を見つけたような気がした。


そうだ。いつまでもいじけてはいられない・・

多分今の自分を見たらかつての親友も、きっと叱咤してるはずだ。


笑顔を忘れていた。もう自分に笑顔なんてないと思ってた。

でもそれは単なる思い込みだったようだ。

笑顔は必ず自分のどこか、心の奥にあるのだ。


だから。だからこれからは今まで笑ってなかった分これからは笑おうと思う。


大切なものを思い出させてくれた新しい親友に。

とびっきりの、笑顔を。








―――――星が輝いていた。一つ、ヒカリが流れ落ちた。





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
今回は過去編ということで。(どういうことだ

ども〜図太い腐女子です(何)
過去話をやってほしいというリクエストがあったんでちょっとした秘話(?)を。
これからどんどん今の性格になっていくんですねw
ちなみに「あれ?紺月が水色?」とか思った人。
これから紺月が猛烈にクロムシを食いまくってケマリに追いつこうとがんばった成果(?)なんですよ藁。
なので元々は超小柄だったんです。でもクロムシででかくなっちゃったんだな紺月w

ケマリの更に(?)過去話は冬編でやろーと思いますんでw

引き続きリクエスト受け付けます。
感想とかもう一回書いちゃったから迷惑そうで書けない!と思って書いて無い人。
全然そんなの気にしないで下さい。
三回連続投稿とかはさすがにヤバイですが二回までなら全然OK。
てか連続じゃなかったらなんぼでもOK。
という訳でw(?)

早めにお会いできるようにがんばります(さっさとしろよ。)

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Novel Editor by BS CGI Rental
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