一
ここは、今から1300年後の地球。辺りを見渡すと、空の色は紫。地面の色は赤茶の岩石に灰色のコケ。ほとんど棒と同じ状態の木に、根が地面から出て枝が土に潜っていると言う、ありえない木。海は無い有るのはまるでヘドロの様な汚臭にスライムの様な感触の超有害な腐海や腐泥一目で見ると木星だ。 何故こんな悲惨な地球なのだろう…戦争だ。1200年に始まり100年続いてようやく終わった、長い長い戦争。(この戦争についてはあらすじ、または次回作ろうかと思う小説で)無論勝戦、敗戦した国(軍隊)も無くただ地球を死の世界にしただけだった。 そんな地球に一筋の光が指し込んだ・・・
二
青い空、青い海、森や草原。ここもあの戦争を体験した同じ地球の国、今話したことが遠い昔のようだ。それもそのはず。ここはある天才科学者が発明した世界最強の壁、超盾壁(サイコ・バリア・シールド)を設置した場所なのだ。その壁はどんなものにもビクともしない平和の壁出、この中に居た者は全員無事だったという・・・ そして、新たの世界で、この狭い土地の為に浮島を創り、地底洞窟を掘り、より人口を増やすために海には、魚と人を融合して海人(カイト)を創り、空には鳥とゆうごうさせて鳥人(バーダー)を創った。そして、2度と過ちを繰り返さない為に行き過ぎた科学を封印した。 ――――――――――それから159年後・・・
三
真夜中、ある研究所で声がする。 「よおしもう少しで完成じゃ・・・」 ものすごくふけた、白衣のおじいちゃんの声だ・・・。すぐ隣に2mほどの液体の入った大きなカプセルがある。 「やっとですね、ハカセ。これでやっとハカセの80年間の想いが実りますね。本当の平和が・・・」 この人は成人したばかりの青年で,おじいちゃんはこの会話から見るとものすごいベテラン天才博士らしい。きっと、この青年は見習いだろう。 「ワシの発明は機械でも物質でもない・・・世界初の人間じゃ!世間ではクローンとも呼ばれているが、こやつは本物の人間じゃ!こやつは・・・この後起こる危機を救う者に成るだろう。」 「ハ・・・ハカセ、後どの位で完成しますか?」 「うむ、コストが高いとこのカプセルから出るときに一瞬で自滅するからのぅ・・・あと二時間ほどで安定すると思うんで、ウム!その位じゃ!」 「う〜ん・・・待ち遠しい!」 「ま、気長に待つのじゃ。お茶でも飲んで」 「そうで・・・す・・ん?何か変だぞ・・・!!!ハ、ハカセ!ク、クローンがカプセルの中で暴れてます!」 「何じゃと!あと二時間と言うのに!」 <ガタガタガタ・・・バコン!パリーン!!!> カプセルの中に入っていたクローンは、カプセルを壊し、外に出てきた。 「ハァ・・・ハァ・・・」 数秒間が空き、クローンはいきなり気が狂ったように辺りにある蛍光灯や窓ガラスを打ち壊した。 「ハカセ!ク、クローンがものすごい速さで・・・早く倒さなければ!」 この発言に対してハカセは、 「だ、大成功じゃ・・・ワシの思っていた以上に大成功じゃ!」 「エッ・・・は、ハカセ!?こんな奴の何処が成功なんですか!ここで抑えなければ世界中があの戦争以来初めての恐怖を味わう所か今まで築き上げた人類が滅びますよ!・・・もういいです。ハカセ、見損ないました。僕が食い止めます」 「待て!焦る出ない。こやつは生まれた赤ん坊が泣くように空気に触れると一時的に狂暴になるのは計算内なのじゃぁぁぁぁぁ!!」 しかし、見習い青年は全く聴く耳を持たず、辞書やら参考書やらを適当に投げている。(勿論クローンの速さにはかなわないので一つも当らない) 「当れっ当れっ!クソッ速いな・・・博士も後ろに突っ立ってないでなんかすれば良いんじゃないんで・・・」 そう良いながら青年は振り向いた。其処にはハカセではなく、あのクローンが立っていた。そしてクローンは青年の首をつかんで言った。 「0110010 11000100 100111 0 110!!!(ご主人様をいじめるな。 SKサンダー!!!)」 そういうと青年の首を持ったほうの手から光が解き放たれ、雷(いかずち)のような音がした。 「ギャァァァァァァァァァァァァァァアアアァァァ!!!!・・・・」 ―――――――――――――カク・・・
長い沈黙が流れた、ハカセはショックで口が開けない。そして暴走の止まったクローンはこう言った。 「・・・スマナイ、ダガコイツハ平気ダ。少シ経ッタラ目ヲ覚マス。・・・御主人様、最後ニコレダケ言ッテオキマス。ワ、私の名は『サイコ・フェニック・アラン』ダ。」 そういうと、このクローン・・・いや人間は、自分が壊した窓ガラスから外に出て、去っていってしまった。 誰も居ない研究所でハカセはそっと呟いた。 「ワシの祖父は、超盾壁を創った。それでこの世は平和になった?嫌、違う。長立て壁は本の一瞬、一難を逃れただけ。そして、ただの道具では生物を平和の出来んのじゃ。生き物には生き物が平和を齎すのじゃ。・・・フ、ここを去ったこやつはこの地球・・・いや、全宇宙を平和に齎すじゃろう。じゃから、ここ!3459年6月18日、オーマン台國クローン研究所のサイコ・フェニック・アランよ!また会おうじゃないか!」 そう言うと、ハカセは、ボロボロになった研究所を後にした。
四
それから、どの位経ったか・・・聖地、天上(天国) 2人の会話が聞える。1人は裁判官の様な人、もう1人は女子高校生のような人だ。2人とも、頭上には輪っかが付いている。 「ついに・・・ついに遣って来る・・・」 「何がぁ〜☆」 「勇者と・・・その隷(しもべ)が・・・」 「隷ってぇ〜あの剣のことぉ〜☆」 「隷・・・いや・・・剣の名は何にするか・・・」 「そんな名前〜そこら辺の名前から取ればぁ〜☆」 「フム・・・ではそこら辺の・・・地軍隊(デスフェニックス)の名をとって・・・『フェニック・ソード』・・・でよろしいかな・・・」 「いいんじゃないのぉ〜☆ついでに場所は神聖渓谷でぇ〜☆」 「また其処か・・・主は好きだな・・・オホン・・・勇者はサフィア・・・隷はフェニックソード・・・場所は神聖渓谷でいいな・・・良し・・・後は頼んだぞ」 「OK〜☆じゃあいってらっしゃ〜い☆★」 ピリリリリリリリリリリリィィィィィィイイィン――――
五
〜神聖渓谷〜 ここは、地中海から55°ほど東に行った国、チュイスタンの南部。ここは物凄い山々や谷があり、未だに良くわからない秘境。ここに神聖渓谷がある。この渓谷の周りには高い針山が蔽って中々中に入ることが出来ない秘境だ。そして、其処には神が地に下りたときに住む所と言う伝説がある。そこでサフィアという人が目を覚ます。 「サフィアよ、西だ・・・西へ行け・・・そしてこの隷・・・いや・・・剣、フェニックソードと一緒に進め・・・其処で大切な何かに出会うだろう・・・」 「お・・・俺は、サフィア。そしてこの地面に刺さっているものがフェ、フェ、フェニックソード・・・っな、何で自分の名や変な剣の名前なんか知ってるんだ?」 と、言いながらも剣を抜くと意外に重かったが、剣が重さを補うかの様に剣が軽くなった。 「不思議な剣だなぁ」 ボソッと言うと剣を置いた。そして寝転がる。空を見ると青い空に白い雲に優しく光を放つ太陽・・・段々眠くなってゆく・・・小鳥の子守唄・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「オイ、起きろ!起きろってば!」 「ムニャムニャ・・・誰だよぉ〜」 「俺だよ!俺!早く起きなきゃこの世界が終わるぜ」 「嘘だろ・・・ムニャ」 「嘘じゃねぇよ!目開いて見て見ろ!地上にゃ戦車、空にゃ戦闘機、海にゃ軍艦でオメェを狙ってんだよ!早く起きなきゃオメェもソフィヤも死ぬぞ!」 <バババババババババ・・・ドーン・・・ドガーン!!!!!!!!!!> 「ウワァァァァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアアアアッッッッッッ!!!!・・・・・・・・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・ゆ、夢・・・か?夢なのか!?」 普通の人ならばこれは夢だ。しかし、彼の場合は違った。 「フウ・・・やっと起きたぜ。俺の魔法使わなきゃ起きないなんて凄い奴だな」 「ギ、ギャァァァァァァァァァァアア!!!け、け、剣が喋った!これも夢だ!早く目が覚めろォォォッォオォッォォ!!!」 「ハッハッハ・・・バーカ、夢だったら『やっと起きたら』は無いだろう。ほらほら、抓っても意味無い意味無い。オメェには行く所があるだろう」 「い・・・行く所」 「そうだ、アホなオメェじゃもう忘れていると思うが数時間前に聞えたろ?海岸に行くんだよ。カ・イ・ガ・ン!早く行かなきゃ俺の魔力が消えていくからさ」 「ま、魔力・・・一体どんな」 「イイ化、まず普通の剣は喋らないよな。其処で俺の主(あるじ)がオメェの助けとして俺をこの剣に宿したのさ。ま、あと1日でただの剣に戻るかな」 「………」 「だ〜か〜ら〜早く海岸へ行くんだよ!西だ!西ッッ方角も分からないのかよ!」 「・・・・・・感じる」 「あぁん!何がだよ!微風なら誰でも感じるんだぞ!」 「海岸で・・・男か女かは分からないけど1人目の大切な仲間に出遭う・・・その後どこかの島で・・・最終的に6人の大切な仲間と俺は出遭う・・・」 「・・・プ、プハハハハハハハ!!!対したもんだ!いきなり未来予知しやがった。流石救世主だ!」 「お、俺は・・・救世主・・・未だ良く分からないけど・・・
行こう!出遭う旅へ!」
こうしてサフィアは未だ良く分からないこの世界での出遭う旅が始まったのである。 第1話「出遭う旅」終わり第2話に続く
〜あとがき〜 イヤ〜やっとおわおわ終わった〜。こんなに長いとは・・・。 さて、この1話が終わってすぐなのに色々な疑問があります。まず三の幕は何の意味があるのか、フェニック・ソードの主は・・・サフィアは神?・・・などなど。 この小説を読むとこの謎が分かると思いますよ・・・。
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