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The LAST WORLD WARS〜最後の戦い〜 下巻 作者:キラ

第6回   第27話〜帰還〜
27話 帰還



この世で一番むごい戦いの形式、宇宙戦は終わった…。
DDDの巨大宇宙船『スペース・ステーション』は破壊された。ただし、サフィア達の宇宙戦艦パワーバトロイヤー『ナイト・フェンサー号』も撃沈してしまった。
中には数多くのSPS隊員とエーレ長官がいた。あの…防衛長が…。
悔しさと怒りと悲しみを必死にこらえてサフィア達はミーティングルームに入ってきた。
「…ブラットは今操縦中だからいないけど、みんな…無事ね」リンが暗い声で言った。
サフィア達は何も言わずにうなずいた。
「防衛長は俺達を地球に送るために…あんな事を言ってくれたんだ。早く…行こうぜ」サフィアの全身が震えている。
「この戦闘機では速すぎて地球の滑走路の中で止める事ができないから、あそこの扉の中にある着床ボートを使って降ります。ブラットは操縦するから下りれないけど、全員は入れます」
リンがゆっくりと歩く。サフィア達もそれについていく。
ドアの奥は小さな部屋で例のボートが置いてあった。大きなカプセルの様で簡単な作りだ。彼らはリンと同じ様にそれに入り、ボートのドアを閉じて数秒後、カプセルはなんと床をすり抜け、機体をすり抜けて宇宙空間に出た。



数分が経った。着床ボートは大気圏に入り、逆噴射装置が作動、ゆっくりと着陸したと同時にボートの扉が開いた。
そこは、鳥人王国の離島、海人島(カイトとう)の泉の岸だった。その島の大部分は森林で、中央にのみきれいな泉の水溜りがある。
「…きれい」ソフィヤが呟いた。
確かに、さっきまでの宇宙戦が嘘のように泉は水を噴水の様に出している。
「でも、ワイらにはまだまだなごんではいかんのや。あの白衣ネズミのSOSがあるで」ネオンの一言でみんなはそうだと思い出した。
「早く行こう!マスーがいなくなっちゃったら…わたし」シャスナがオドオドし始めた。
「大丈夫じゃん。彼は強いよ。いろんな意味で」ロッジャーが励ました。
「よっしゃ、じゃあ行こうか!」サフィアが激励(?)した。
サフィアはトライブレスをフーリブレスに変え、ロッジャーはV字ブーメラン型ブースターを取り出し、ネオンは携帯スカイボード(スケートボードの飛行版)に乗り、ソフィヤ、シャスナ、リンは翼を広げた(おっと、またまたスーを忘れそうになったけど、彼は飛行道具を持っていないのでサフィアの後ろにいる)
そして、ほとんど同時に地面を発つと、一直線に鳥人王国の首都、エベレストランドでもひときわ目立つ鳥人王国中心塔(エベレストバーダーセンタータワー)に向かって飛んでいった。



一行は鳥人王国中心塔中央入口に華麗に着陸した(スーを除いて)。
彼らはやっと地球に帰ってきたような気がした。懐かしい光景が当たり一面に広がる。
「やっと…帰ってきたのか…」サフィアが呟く。
ため息をついてもう一度よく見る。何となく寂しい雰囲気が漂う。
「おかしいな…人が少ない気がする」サフィアが首を傾げた。
不意に微風が吹いてきた。わずかな臭いを嗅覚の良いスーがキャッチし、彼は異変に気づいた。
「なんか、髪の毛を焦がしたような刺激臭があるなぁ…。どうやら上昇気流に乗ってきた風みたいだべさ」
「とにかく…塔にいる人々が気がかりだ」サフィアは珍しくスーの発言をわきまえて言った。
ロッジャーが瞬時に反応してタワーの入口の扉を開けた。
そして、中を見た瞬間、一行は驚くべき光景に目を疑った。
誰もいないロビーにたった一人だけほぼ中央に立っていたのだ! …あ、それだけじゃ驚かないか。なんとその人は、ブレインに殺されたはずのソフィヤの父、正真正銘、幽霊じゃない初代鳥神、鳳凰・ブルースカイだったのだ!(引っ張りすぎだけどキニシナイ)
「お、お父さん!」ソフィヤは一目散に父に向かって駆け出し、彼の胸に飛びついた。
「今まで会えなくてごめんよ。でも、これからは俺とずっと一緒だ」鳳凰はゆっくりとはっきり言った。
サフィア達もゆっくりと彼に近づく
「お父さん、こんな事ができるんなら何でもっと早く会いにきてくれなかったの!?」ソフィヤが嬉しそうに涙を拭った。
「ク…ククッ。それはだな、事情ってのがあるんだよ」気のせいだろうか、鳳凰はニヤッと笑った。
「でも…わたし…嬉しい」鳳凰は何かを音も無く抜き出した「もう一度お父さんとこうやって話が出来るなんて…」鳳凰は構えた「ねえ、わたしね、好きな人ができたの」
「そうかそうか…ククッ…でも、そんな事はもう関係ない」鳳凰は彼女の首筋にそれをつきたてた。
「ど、どうして――」
「ソフィヤ、危ない!」ロッジャーが叫び、Y字ブーメランで鳳凰の胴を斬った。
鳳凰は声にならない悲鳴を上げ、床に落ちた。
ソフィヤは一体何が起こったのか分からないまま床の上で呆然としている。
「………」みんながロッジャーを言葉にならない目で睨んだ。
「…みんな、気が付かないじゃんか?そいつは偽じゃんよ。口調が明らかに違うじゃん」
「それで、この方が元隊長じゃないと言い切れるのか?」鳳凰はSPE初代隊長でもある。
「それだけじゃないじゃん。実の娘にこんな物を付きたてるじゃんか?」ロッジャーは鳳凰の右手にしっかりと掴んでいる。ある物…小型ナイフ…を見せた。
「な、なんだって…」一同、信じられないと言う顔で見合わせる。
その時、鳳凰がシューシュー音を立てて変身した…いや、元に戻ったと言うべきだろうか。鳳凰だった者はまるで乾パンの様なマスクを被っている。ロッジャーはすぐさまハイテク腕時計で調べた。
‘ナマエ..カンパンマン.シュゾク..ニンゲン.ソノタ..ヒト ノ スガタ ニ ヘンシンデキル ガ ザコ’
ロビーが宇宙空間の様に静かになっている。
「そんな…鳥人王国が…一体…どうなってるの?さっきのはお父さんだった…」ソフィヤがうわごとを言った。
「余計上の階が心配になってきた。急ごう」サフィアは段々不安になってきた。
一行はエレベーターに乗り込み、最上階へのエレベーターがある250階と急ぐのであった。



250階…そこで何人のカンパンマンを見てきただろうか…。
250階以上はタワー中腹の国家機関で、サフィアも知っている人に化けたカンパンマンや庶民に化けた奴もいた。
元老院の男が気軽に話しかけ、いきなり襲い掛かった時もあった。
その上、本物がサフィアらに助けを求め、危うくネオンが切り刻みそうになった事もしばしば。
ただし、接していくうちにカンパンマンの癖が分かるようになり(異様にフラフラしている口調がおかしい、話し終わるとニヤッとする等)一瞬で見抜けるようになった。
「やっとたどり着いたわ…」ソフィヤはエレベーターに近づいた。
いつもなら近づくだけで扉が開くのに今日に限って開かない…。
「…エ、エレベーターが壊れてる」ソフィヤの声が震えている「みんな、諦めてはダメ。階段があるわ。少しでも上に行きましょう」
サフィア一行は頷き、一気に階段を上へ上へと走り出した。
ただ、鳥人王国中心塔は501階。そしてこの階は250階。残り251階もあるので途方もない長さである。
最上階まで残り200階にまで達した辺りでドロイドの残骸を見つけた。
「…DDDがここまで来はったん!?」ネオンが喚いた。
「…ドロイド軍はここから100階上の部屋でSPEと交戦中じゃん」
耳の良いロッジャーが目を閉じながら言った。
「だいぶ手こずっているんだなぁ」スーがまたいらん事を言い、シャスナの瞳に涙が溜まってきた。
「…俺たちがいない間にもみんな頑張っているんだ。早く行こう」サフィアは付いてくるよう促した。
残り190階――
ドロイドの残骸は階を上がるごとに増え、それに比例してSPEの隊員の遺体が転がっている。
残り170階――
サフィアは戦死した勇敢な隊員に向かって心の中で敬礼をした。
残り160階――
普通ならばきれいに廊下の端に置かなければならないのだが、今はそれどころではない。
残り140階――
こうしている間にも戦友は死んでゆくのだ。
残り120階――
銃声がサフィアの耳でも聞こえるようになった。
残り110階――
生温かい血の臭いと強烈なドロイドの液体が鼻をつく…。
残り100階――つまり鳥人王国中心塔401階
サフィアは音をたてずに401階の床を踏んだ。150階を駆け上った為に激しい息使いをしてしまうが最小限に抑える。
物凄い数のドロイドが前方を向いて…サフィアに背を向けている…SPEと激戦を繰り広げている。
天井や壁には赤や青のレーザーの光が映っている。SPE隊員にそれが当たり、体液が飛び散っている影も惨たらしく映っている。
ドロイド中隊の指揮を執っているのは漆黒の死神であった。こんなに間近で見たのはリンを除けば初めてだ。死神は戦闘の一番後ろ、つまりサフィアとの距離が一番近い場所にいた。
「こりゃチャンスや」ネオンが囁いた「あいつはきっとドロイド中隊の司令塔や。倒せば全てのドロイドが戦闘不能になる」
「あの…私が倒しに言ってもよろしいでしょうか」今まで口を挟まなかったリンが囁いた「死神は束縛者。普通の人では倒す事ができない。運命師か束縛者、半束縛者でないと倒せないのです。」
「ああ、いいよ。俺たちも援護する」サフィアは強く頷いた。
彼らはドロイド中隊の方に近づいた。
リンは音も無くDDD星で服従されていた時に使ったダーク・マーカーを取り出した。あのレーザーとカマが合わさった最新のカマである。
わずかな音を察知したのか、漆黒の死神は振り返った。
「エケトリック…この場にふさわしくない弱者よ、鳥人帝國に何のようだ」
「…あなたに何も言う事はない。バーダーたちの楽園を返して!」リンが叫んだ。
「DDD帝國こそが楽園なのだ。エケトリック…楽園にキサマのような存在がいると穢れる。最後方アニメンス・サークルピラー(AP)よ、エケトリックを消せ」
「了解。コマンダー」
漆黒が命ずると6体のAPはスーッとリンを囲んだ(APに足は無く、磁力で浮いている)。浮遊する手にはループランスと言うはである部分が灼熱のループになっている特殊な槍を持っている。
「おっと、お前らの相手はこっちだ。サークルピラー」サフィアが半歩前に出て言った。
他の5人も武器を構える。
「コマンダー、よろしいか?」
APの質問に、死神は黙って頷き、カマを取り出した。
死神対死神、AP対SPEの戦いが幕を開けた。



APは接近戦では右に出るものはないと思えるほど強い。
しかし、サフィア達だって負けてはいない。SPSから地球に向かう途中、サフィアはみんなに対AP戦を想定して練習していた。
だから、弱点である頭に被っているニット帽を集中的に狙った(APの胴体の大部分は空洞である)。
スーは中距離からの射撃はある意味最強の攻撃となった。APは数発の攻撃は防げたが後はザコドロイドの如く銃弾に吹き飛ばされた。
ネオンは槍を巧みに使い、APの武器、ループランスの輪に矛先を通し、そのまま上に振り上げてループランスを奪い取った。そして、そのまま槍を振り下げ、ニット帽内の思考装置などを破壊した。
ソフィヤは今まであまり見せなかったが、華麗に舞いながら秘刀『ハリケーン』を生き物のように操った。APを破壊したと言うまでもないだろう。
ロッジャーとシャスナは前半パワーで負けていたが、後半に彼らのお得意な瞬発力で宙返り、スライディング、などを駆使して劇的な勝利を勝ち取った。
サフィアと戦うAPは他のドロイドよりも腕があって、APの力はサフィアに勝っていた。しかし、サフィアも負けてはいない。一瞬の隙を見てループランスの柄を掴み、それをフェンスを飛び越える様にまたぎ、フェニックソードでニット帽に上なぎ払い(野球で高めのボールをアッパースイングで打つ感じで斬る)…を喰らわせた。
気付かぬうちにサフィア達最強ドロイドAPを全滅させたのだ。驚きを隠せない。

リンと死神指揮官の攻防はまだ続いていた。
カマは攻守を同時にやる事はできない。内側の刃で相手を斬り、外側のみねで攻撃を防ぐ。
しかもカマは通常1VS1の時には使わない。1VS1の時は非常に使いづらい。
漆黒の死神の攻撃を雪白の死神がガードしている…そんな事がすでに3分間続いていた。
相手は死神界でもなかなかの腕を持つカマ使いらしい。リンも知っているほどの有名神だ。
不意に、いらだった漆黒は魔道波と言う衝撃波を手の平から発射した。リンは後方10m吹っ飛び、壁に激しくぶつかった。
リンがクラクラしてる間にも漆黒は物凄いスピードで(低空飛行のように)移動し、彼は格闘ゲームさながらカマを振り上げ振り下げなぎ払い、リンは壁に沿って5m弾き跳ばされた。
ただ、死神のカマは非常に切れ味が悪いのでリンの体は離れず、かわりに彼女の白い肌に生々しい傷痕をつくり、彼女は血に染まった。
「エケトリック…戦いは相手の身に刃を喰い込まさなければ始まらないのさ」漆黒の死神は冷淡に言った。
リンの体は少しも動かなかった。少しずつ血の溜りができている。聞こえる音は遠くの方で繰り広げられている戦いでのレーザーの轟音、兵士の悲鳴だけだ。
「…どうやら勝負あったみたいだな。ダルム・スティックストライク(DS)、エケトリックの最期を真っ赤な花にしてやれ」
後列のDSドロイドはクルリと向きを変えた。
手と一体化しているレーザー銃を構えかけたそのとき、ドロイドは一瞬にして粉々になり、軽い爆発を起こした。
ロッジャーのブーメランとスーの撃ったガトリング砲で一掃されたからだ。
「リンさ、おらたちゃオメを護る。だからオメはその物騒なもんを倒してけれ」
スーのなまり声が異様にかっこよくみえた。
その時、リンはカマを杖代わりにしてユラユラと立ち上がった。
「リン、頑張ってくれ!SPEの為に、鳥人王国の為に!」サフィアが祈りを込めて叫んだ。
しかし、リンは口から血を吐いて再度倒れてしまった。
「面倒かけやがって…あの世に送ってやる」
漆黒は呪文をカマに込めている。きっとリンをあの世に送る呪文だろう。
その時――サフィアの鼻奥でコーヒーの匂いを嗅ぎ取り、耳奥でエーレの声が聞こえた。
『ク…サヒア…ずっと前、覚えているだろうか…アンタにSKを伝授させた事を…。今こそあれを使うべきだ。SK…SKメシア。味方をアシストする究極の技だ。使い方は…アンタの心が一番よく知っているさ』
…SKメシア…確かエーレと初めて会った時にフェニックソードに込められたんだ。
サフィアは剣を取り出し、リンに向けた。
「リン、俺たちが援護する…。リン…

――SK メシア!」

フェニックソードから薄黄色の温かい光がリンを包んだ。光で漆黒は悲鳴を上げ、呪文の効果はなくなった。
やがて、光が弱まるとそこには健全なリンの姿があった。彼女はカマを構えなおすとすさまじい勢いでカマを振るった。
すると、カマの刃から波動が飛び(アストロの波動に似ていたが、形は針の様だ)、漆黒の溝深くに喰い込み、そのまま壁に突き刺さった。
しかし、死神はこれでも生きている。体が滅びようと憎しみの魂はずっと残る。
そんな死神の魂も滅ぼす方法はたった一つ。死神の魂滅呪文を使うのだ。
リンはカマを天に突き上げ、反時計回りに廻しながら魂滅呪文を唱えはじめた。
「КбДёνχΩ…カー ベー デー ヨー ニュー カイ オメガ」
リンが唱えている間、漆黒の死神は憎しみと怒りを込めて吠えている。
「αβγΣ!」
リンが最後の語を発すると漆黒の溝に食い込んでいる針が暗黒色になりそこから上下に縦の線が入り左右に分かれた。死神の身も同じく左右に分かれた。
そして、暗黒色の針がブラックホールのように死神を吸い込み、最後には何もなくなった。
その瞬間、全ドロイドの機能が停止した。向こうのほうからSPE隊の歓声があがった。



漆黒を倒して数秒後、リンはばたりと倒れた。サフィア達が駆け寄る。
「大丈夫かぁ?リン!」スーが語りかける。
「私…初めて殺ってしまった…。こんなにひどい事…ないよね。もう…もう殺りたくない」
そのままリンは気を失った。
「これが…戦いなんだ。殺す事が戦争なんだ。戦争で平和はやってこない。でも、戦わなければ闇に包まれてしまうんだ…。ネオン、スー、リンを救護室へ」
2人はうなずき、リンの方を担いでドロイドの残骸を掻き分けていった。
その時、向こうからドロイドを掻き分けやってきたのはSPE守護部隊軍士長のニシャーンだった。
「た、隊長、戻ってきたのですか!ご苦労様です。一体…なぜフェリスターにいたドロイドがいるんですか?」
「それは俺にも分からない。ただ…DDDの次の目標は地球だってことだな」
ニシャーンは思わず身震いした。
「6日間、よく戦ってくれた。本当に感謝するよ。…で、一体何が起こったんだ?」
「隊長、実は我々もよく分からないのです。6日前、月が2つになると言う現象が起こり、それからドロイドと…死神を乗せた宇宙船がやって来たわけです。臨時隊長の我はやや慌てながらも…あ、いえ、華麗に、華麗に指揮を執ろうとした訳です。しし、しかし、予想以上に敵軍の動きが速かったのです」
「だからタワーの200階から戦闘が始まったのか…」
「その通り。で、敵軍は非常に強かった。見たことのないドロイドもいたので我々は徐々に後退していったのです。でも、マスー氏があなたたちにSOSを出したと言っていたので我々はそれを希望に今まで戦っていたのです」
シャスナがふと気がついたように振り返った。
「サフィアさん、マスーの所へ言っても良い?」
「ああ、良いよ」サフィアは優しいおじさんの如く言った。
「ちなみにオイラも…」ロッジャーが割り込んできた。
「シャスナが良いって言ったらいいよ」サフィアが軽く返した。
「いいよ!ロッジャー!」シャスナが元気よく言ったのでサフィアはふいた。
「え〜っと…そうだ、隊長。ドロイドの乗っていた宇宙船は鳥人王国以外の場所でも着陸しているらしいです。ただ、もうそれらは宇宙に戻っていったらしいです」
「ご苦労様。ニシャーン軍士長」いきなりソフィヤが言ってきたのでサフィアは驚いた。
「とにかく…もう事は過ぎたわ。鳥神としての立場から言うと早く鳥人王国を復興させないと世界中が混乱してしまいます。国民達は?」
「避難させております。ただ、民間兵含め5000人が死傷、特にタワー上部での戦いが激しかったため、国家幹部数十名もその中に入ります」
「御冥福を……。詳細がわかったら教えて。それと臨時会議を明日」
SPE司令官とは言え、彼女の本業は鳥神である。国のために精一杯の努力をしなくてはならないのだ。
「ソフィヤ、この件は任せた。俺はSPSに報告する。」
「うん、お願いね」ソフィヤが優しく言った。
「あ…それとさ…」サフィアは何となく看護士の帽子型リボンが目に付いた「それ、かなり歪んでるよ」
「え、ええ!?み、見た?見てない…よね」ソフィヤが顔を真っ赤にしてそれを直した。
「み、見たって…見なきゃ言わないよ」サフィアが失笑しながら言った「と言うか、なんか勘違いしてないか?」
「え?あ、ああ、そうだったの。じゃあ、わ、私は外で救援活動にで、出るわ」彼女はオドオドしながら言った。
なんか隠しているな…と思いながらもあえて訊かずにサフィアはSPEの間に行くことにした。
「ニシャーン軍士長、なんか…ソフィヤの秘密とか知ってるか」
ニシャーンがついてきていたのでサフィアは訊いてみた。
「さあ…。あ、でも我が隊長の事を話すと急にソワソワするんですよ。隊長、こりゃは良いですね」
ニシャーンが満面の笑みを漏らした。

一方のサフィアは…
(一体それのどこが良いんだ?)
そう、サフィアはかなりの鈍感なのだ。


それはそうと…

地球にいるドロイド軍はまだ活発に活動していた。
例えば…。広大な砂漠が広がる帝國とか…。

地軍隊


アトガキ
ども、とりがーです。
いやー、期末テスト中にこんなもの書いていていいのか!?と僕は思う。
もちろん本当は勉強しなきゃいけないんだけど…。
でもですね、最近よく小説のネタが閃くんですよ!
この期間を逃したらいつひらめくんだ!?みたいな感じで死に物狂いで勉強と小説の両立しています。
と、言う事で今回少しだけサフィア達の恋愛が描かれているのに気がつきましたか?
ロッジャーの物凄いシャスナへの想いはもちろん、スーやソフィヤ…。
果たしてネオンとサフィアは誰なのか!?
真相を知っているのはこのとりがーだけかと思う。
久々の長いアトガキでしたね。あ、次回はアスルムの伝言(仮)です。お楽しみに!

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Novel Editor by BS CGI Rental
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