13話 引退
あらすじ… 救世主サフィアはある日、フェリスターからシャスナとマスーから自分の星のSOSを伝えにやってきた。 快く引き受けたサフィアだが、その星にはDDD(スリーディー)帝國連邦と言う軍の脅威に汚染されていた。 DDDにはサフィアらSPEが見た事も無い様な新兵器‘ドロイド’により壊滅的ダメージを受ける。 そのドロイドの会話で、この星のどこかにU-Pu2が隠されている事を知る。 その後、サフィアは何とかシャスナの両親…フェアサイドの王、女王と内閣各代表を救出する。 そしてアナはシャスナに鳳凰翼輝とライト・アイテムを授け、シャスナはマスーにU-Pu2の事を知らせる。 サフィア達はアナの作ったサイコバリアシールドに、マスー達は特別な機能を持つ宇宙船に乗り込んだ。 この直後、U-Pu2が爆破し、サフィア達はその砲弾の性質によって爆心地へと飛ばされ、サイコバリアシールドは崩壊したのだ。 その後、ブレインとの戦いに新しいSK技『SKフリーズ』により勝利をおさめた。 フェリスターの戦いを終え、生存者は地球に帰還し、妖精達はは地球へのほんの少しばかりのお礼として、鳥人王国中心塔の特別宇宙省の役員となり、シャスナはアナの言う通りSPEの守護部隊に入隊した。 マスーはそのIQを生かして建造部隊科学課司令官に任命されたのであった。
T
フェリスターの戦いから約2ヶ月後 3459年 9月3日 ここは…ディマクラ・スターと呼ばれる星。 この星の中でもひときわ大きい宮殿の様な所で話し声が聞こえる。 「終わった」 「な…何!?DV…今なんと?」 「終わったと言いました。閣下」 どうやらこの会話はずっと前DT、DU、DVが話していた所だ。 …今、思い出した。 「そ…それで『あれ』は売れたんだろうな?」 DTが言った。 また『あれ』かよ…。 「それは売れた。次、終わった」 「それで…あちらはなんとおっしゃってたのかしら…フフフ」 DUが言った。 「これさえあればあなた方と我々は何十倍にも拡大できるだろう…だって」 「そうか…では我々も作戦実行と行くかな。まず我々が大きくなるには近すぎず、遠すぎない星を探す」 「ちょうど良い星は…マーズスター、アニメンススター。この星らは大丈夫」 DUがさ〜っと言った。 「問題は…デス・スター、そして…地球(アース)…」 「なぜだ?前者はかなりの軍事星家なのは知っている。拡大には難しいが後者は…ただの平凡な星だろ?」 「知っているわ…でも、後者は…あの最強と言われたU-Puを防ぐ科学力があり、その進化系となるU-Pu2が爆破されたフェリスターにいたのに助かった…だから問題なのよ…」 「なるほど…確かにそれは問題だ。我々の拡大には少々じゃまとなる星だ…そこは最後に取り組むとするか」 DTはそう良い捨てるとその場から離れて行った。 他の2人もその後についた。
U
ディマクラ星のあの出来事から約8ヵ月後…年が変わって1460年 6月7日 こちらは空地戦争以来大きな事件も無く、その名の通り平和だった。 ――今、SPEの兵の人数はフェリスターの戦い以降入隊者が減り、特に守護、偵察部隊が激減して2つの部隊をあわせて約250人も減ってしまった。 この日、サフィア…SPEにとって最も大切な日となることは誰も想像しないだろう。
バーダー エベレストバーダーセンタータワー まだ朝日が出て数分しか経っていない時 鳥人王国 鳥人王国中心塔 1階 ロビー 受付
鳥人王国中心塔とは鳥人王国の首都エベレストランドの10/1を占める面積で、高さが2422m。 そこの1階はとにかく広く、1階…2階…と上に行けば行くほど面積はせまくなる円錐型だ。 壁はミラーコートの原理なのか、外から見ると普通の壁なのに内側からだと美しい透き通ったガラス状だ。 この塔の上半分は今の日本で言うと東京の国会や皇居に当たり、下半分はマンションやらアパートやらデパートやら…がたくさんある。 だから迷わないように1階は大きな広場になっていてその階には受付があるのだ。
「あの〜スイマセン…この塔の地図はありますか?」 観光の客と思われる人がロビーの受付にやってきた。 「観光でしょうか?ここは暑苦しいので観光には向いていませんのでどうかお引き取り下さい」 受付譲が無感情に言った。 「…もう二度と来るか!鳥人王国パンフレットにはここがこの国1番の観光名所だって言ったのに!」 受付に来て早15秒でこの人はプリプリと鳥人王国中心塔の出入り口である自動ドアの方に向かって行った。 いつもは優しい受付の受付譲はなぜか今日は機嫌が悪い。 なぜかと言うと今、受付の前にあるよくカフェに置いてありそうな椅子に一人の男が座っていて、テーブルにはブラックコーヒーが置いてあり、それを男が飲んでいるからだ。
「あの…おくつろぎ中申し訳ありませんがそろそろご用件を…」 受付譲が言った。 「クッ…早いぜ。コーヒーだったら薄くて美味くないコーヒーになっちまうぜ…12杯目のコーヒーを…」 その男はコンとテーブルにマイ・マグカップ(…らしい)を置いた。 受付譲は渋々そのマグカップにコーヒー(ブラック)を注いだ。 「あの…気を悪くするかも知れませんがわざわざロビーの待ち時間用のコーヒーをそんなに飲まないで下さいませ」 注ぎ終わった受付譲が言った。 男は何も言わない。ただコーヒーの香りを楽しんでいる様子だ。 「それに…モーニングコーヒーなのにそんなに飲んでしまいましたらお体が悪くなってしまうんでは無いでしょうか?」 受付譲が続けた。 男は何も言わずに12杯目のブラックコーヒーを飲み始めた。 この調子が12回も続いているのだ。受付譲がうんざりするのも分かる。 男がコーヒーを飲み終えた。 そして、一言言った。 「ここのコーヒーは…ケント、インドプランテーションAA、モカ・マタリNo9をブレンドしたコーヒーだな」 「あ…そうですけど、どうして分かったんですか?って、早くご用件を!」 受付譲が怒鳴った。それにしてもこの男、凄い舌の持ち主だ。 「クッ…しょうがない。教えてやろう。俺は`サヒヤ'に会いたい…それだけさ」 「サヒヤ?佐日屋(サヒヤ)とは何かのお店でしょうか?」 「クッ…この地球に知っている人がいないと言われるあの‘サヒヤ’を知らないのか…。SPE隊長のサヒヤだよ」 受付譲はほえっ?と首をかしげた。 数秒後、その‘サヒヤ’とはこの物語の主人公である‘サフィア’と言う人物の所まで行きついた。 しかし…このおかしな男がなぜサフィアに会いたがっているのだろうか。 しかもサフィアと言う時だけかなりなまっている。 「サ…サフィア様の事ですね?えっと…サフィア様は…今…寝ています」 受付譲は嘘を付いた。ただし、この嘘は普通に気付かない。 だって今…午前4:30ですもの。 なのに―― 「クッ…テメェ…嘘、付いてるな」 この男、なぜかこの嘘を見破ってしまったのだ。 更に―― 「サヒアは朝飯前の会議ノ畳で幹部トーキング会でもやっているんだろ?」 と、まるで透視でもしているんじゃないかと思う位性格に、的確に言うのだ。 実はこれ、今王族ノ間の会議ノ畳で本当にやっている事なのだ!!! その事を知っている受付譲は目を丸くして息を呑み、足は震え、歯はガチガチ言っている。 「ど…どうぞ…気味が悪いから早く行って下さいませ。場所は…教えなくてもわかりますよ…ね」 受付譲は手を震わせながら鳥人王国中心塔上半分に行く事を許される交通手形を渡した。 男はそれを受け取ると自分で注いだ13杯目のブラックコーヒーを一気に飲むと、自分のマグカップを拭きながらエレベーターの方に行ったのは言うまでも無いだろう。
V
その頃 王族ノ間 会議ノ畳 いつもなら朝食を食べ終わったSPE幹部(隊長、副隊長、軍士長)は次にここで会議をする。 しかし、今朝の会議はなぜか時間を3時間も早めて行われている。 更にいつもならほのぼのやっている会議が今日はなぜか騒がしい。 「ナ…ナンダッテェェェェェ!!!」 「ア…ア、アナが」 「SPEを辞めるだあwせdrftgyふじこlp」 そうなのだ。誰かさんが言った通りアナがSPEを辞めると言い出したのだ。 「すいません…ダメだと言う事は分かってるのです。でも…フェリスターの戦いの時の古傷が今でも痛くて痛くて…とても戦う所じゃ無いのです。それにシャスナさんにライトアイテムを渡してから他の武器も使って見たのですがやはり使いこなせないのです」 「そりゃわかったけどさぁ…このアナの穴…」 「シャレはよしなしゃれ…」 スーが言った。会議ノ畳が凍て付いた。
「…で、このアナの穴を誰が埋めるんじゃん。今、守護部隊の兵員は本当に少ないじゃんか。それはアナが一番よく知ってるじゃん?」 「はい、良く知っています。でも…私はもうこんな歳だし(アナの年齢は31歳)…働き盛りと言えばそうだけどもうこの怪我を負ってしまって、もう完全に治る事はまずあり得ないと思います。だからこのまま先頭で置き去りになったり邪魔になったり遅れて死んでしまう前にSPE攻撃部隊から降りてリィナやマスー達と一緒に働きたいと思っています。そっちの方が古傷が暴れないと思うんで」 「…わかった。どうしてもアナが辞めたいんなら彼女の言う事に従った方がいいな。それはそうとアナの穴を…」 サフィアがチラッとスーの方を見た。隅でうずくまっていた。 「アナの穴を誰が埋めようか…え〜っと、今ここにいる守護部隊はアナを除いて2人…一人は超ベテランの守護部隊の守護神と言われる男…ニシャーン・ブドー。もう一人は昨日軍士長に上がって来たフェリスターのフェアサイドの姫…シャスナ・フィリー。みんな、この2人から選ぶしかないだろう。どう思う?」 サフィアがみんなに訊いた。 「そりゃやっぱりニシャーンだよ」 「ニシャーン最高!」 「ニシャーンに一票!」 ニシャーンの頬がかなり赤く、嬉しそうな困ったような色々な表情が混ざった顔をしている。 もうこの畳にはニシャーンを副隊長にする要望が多発し、とても騒がしい。(ロッジャーは断じてそれを許さず、シャスナと叫び続けていた(笑) 「サフィアは誰がいいの?私は…やっぱりニシャーンだけど」 ソフィヤが尋ねた。 「オレは…分からない。それはオレが守護司令官じゃないから…。やっぱり最終的な決断は彼女に任せた方が良いのかもしれない」 「どっちにしろ同じやろ?サフィアはん。…アナ、あくまでワイらの意見を参考にしてくだはれ」 ネオンが2人に言った。 「オラもだぁ」 スーがボソッと言った。 少しここが静かになった。 これを見たアナが静かに言った。 「私は…ニシャーンさんではなく、シャスナさんに司令官の座を授けたいと思います」 一瞬シーンとなった…。 そして、大ブーイングが起こった。 「俺らはみんなニシャーンだぞ!」 「こんな若造めが司令官の仕事に耐えられる訳が無い!」 「まだ入隊して10ヶ月ほどしか経って無いじゃないか!」 「ブーブー」 ブーイングはしばらく続いた。サフィアがなだめても一向におさまる気配は無い。 アナが例の男口調で怒鳴ると一気に静まり返った。 アナが続けた。 「確かにシャスナはSPE攻撃隊最年少かも知れねえ。でもよお、俺が見る限り彼女は才能があるし俺の旧武器のライトアイテムと鳳凰翼輝がある。それの威力はみんな知っているだろ?そして俺が何よりも言いたいのは彼女はみんなをまとめる力があるんだ。向こうの星で姫だったのか両親の遺伝子を受け継いだのかしらねえけど…とにかく団結力があるんだ」 「でも…彼女は経験が少ないのでは?」 誰かが言った。 「ふ〜ん…俺は確か入隊して2・3日で隊長になったような気がするな〜」 今度はサフィアが返した。 その人は1分間ほど石の様に固まってしまった。 「でもさ、ニシャーンの方が俺らのような下が落ち着くんだよな」 石になった人とは違う誰かがつぶやいた。 アナの怒りはだいぶおさまったみたいだ。いつもの丁寧口調で答えた。 「確かに落ち着くと思います。でも…彼は実は臆病で控えめな性格なんですよ。今までは私の言う事に自分の意見を少し加えて彼直属の部下に伝えていたはずです。私は色々とその事の相談にのりました。だから…とにかく彼は司令官に向いて無いと私は思ったのでシャスナに司令官の座を授けたいと思ったのです」 …やはりここがシーンとなった。 「あの…わ、私にそんな大役なんて出来っこありません。司令官なんて…」 シャスナが恐々言った。 アナはにっこりと笑って優しく、ゆっくりとシャスナに言った。 「何言ってるのです。司令官になる時に一番必要な事は何度も言うけどSPEを盛り上げる事です。ソフィヤさん見ると分るのですが鳥人…女王になるより全然難しい事じゃないですよ」 「…うん。私頑張る!」 シャスナもアナに負けない位ニコッと笑った。
アトガキ アアアアアア!!!!! また1万超えちまったァァァァ!!! あ、ドも、チャイナっす。 なぜ1万超えるのか不思議なくらい不思議だ。 もう日本語にならないくらい眠いんでもう寝ます。 14話のあらすじは省かせて頂きます。ホンマスマン_| ̄|○
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