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嫉妬 作者:APPLE

最終回   嫉妬
〜嫉妬〜

明け方4時

「ね〜ぇ、副長はん今度はいつ来てくれはるん?」
「さぁな。」
「副長はんすごくきれいなお顔してはるわ〜」
「だからなんだ。」
「もう、つめたいんやから」
「性分だ」
「まだいてくれはる?」
「いや、もう帰る」
「そんなぁ、あと1時間だけ...」
「仕事がある。」
「そんな冷たいこといわんといて。」
「じゃぁな。」
「またきっと来てください....。」
 
まだ、真っ暗な京の町を土方は歩き出した。


「土方さ〜ん起きてくださぁ〜ぃv」
「んぁ?」
「な〜に寝ぼけた声出してるんですか?」
「別に、お前はなんでここにいるんだ?」
「はい?今日は稽古つけてくれるって言ってたじゃないですかぁ〜」
「今日は無理だ。明日にしてくれ。」
「え〜昨日もそう言ってましたよぉ〜」
「悪いな、今日はどうしても行かなきゃなんねぇとこがあるんだ。」
「じゃあ私も連れて行ってください」
「だめだ。」
「何でです?私の約束を飛ばしてでも行かなくちゃ行けない所なんでしょ?」
「そうだ、だがお前がいては邪魔になるだけだ。」
「そうですか、いいです鉄君と稽古しますから。」
いつにない怒り方に一瞬と惑ったものの土方はしょうがないんだ、とつぶやいて仕事を始めた。
「鉄く〜んvちょっと手伝ってもらえますかねぇ?」
「あ〜沖田さんvいいですよぉ〜なにすればいいんですか?」
総司が今までにないほど怒ってることなどつゆ知らず明るく返事をする鉄之助。
「実は........。」
「エ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!んなこと俺にできるわけ...」
「大丈夫です。私が計画を立ててますから」
「でも、こういうことはススムのほうが...。」
「ススムさんではダメなんです。」
「分かりましたよぉ...。((泣」

「総司、あ〜まだ怒ってんのか、近藤さん!近藤さん!」
「おう、歳どうしたんだ?」
「.......ってわけで、ちょっと行って来る」
「やっぱりそうだったのか。」
「近藤さん分かってたのか?」
「いや、朝の歳の顔見れば分かるさ。」
「さすがかっつぁんだな。かっつぁんには隠し事はできねぇ。((苦笑」
「歳と何年付き合ってると思ってんだ。」
「まったくだな。じゃぁ行って来る。」

「鉄クン行ってください」
「ほんとに俺でいいんですか?」
「鉄クンじゃないといけないんです。」
そう、鉄之助は土方の尾行を頼まれたのだ。
そんなこととはつゆ知らず土方は今日の町をずんずん進んで行く。
と、土方が角を曲がったとたん鉄之助は土方を見失った。

「やっべ〜副長どこいったぁ?」
「鉄クンさっきあそこ曲がりましたよ。」
やはり鉄之助の様子が気になった沖田はひっそりと鉄之助についてきていた。
「沖田さん来てたんっすか?」
「いいから早く行ってください。私はここで待ってます。」
そういうと総司もいなくなってしまった。

今度は土方を見失わないように目を凝らして尾行し続ける鉄之助、
しかし土方は大人だそのうえ普通の人より足が長い
鉄之助は小走りで妙な尾行をつづけた。
そのときふと、土方が足を止めた。

《やば、、気付かれたかな?》
が、土方はそのまま目の前の建物に入っていった。
《昼間から遊郭!?ここは沖田さんに相談した方がいいかな》

鉄之助の話を聞いた沖田はさらに怒って、屯所に変える間も鉄之助とは口を聞かなかった

「沖田さん?だいじょうぶっすか?」
「はい?大丈夫ですよ。鉄之助君今日は悪いんですが、稽古をほかの人に頼んでいただけませんか?」
「あ〜はい。。。いいっすよ。」
屯所に帰ったあとでも総司は誰とも口を利かなかった。
夕飯時....。何も知らない土方が近藤に
「ったく、短刀忘れたと気付いたときには自分で切腹しようと思ったぜ」
「まぁあれは歳が最初に持った刀だったからなぁ、」
「ちょ、ちょっと、どういうことですか!?」
「何がだよ?」
「土方さん、私見てたんですよ....。真昼間からゆう..ゴッホ」
土方はあわてて総司の口を押さえた。
「総司それはどういうことだ!?」
土方は総司を連れ出した。
「総司お前ぇなんか勘違いしてねぇか?」
「勘違いなんかしてません私はあなたが昼間から遊郭に入って遊んだというのを聞きました」
「だぁ?遊郭にはいったが遊んじゃいねぇよ。」
「じゃなぜ遊郭になんかいったんですか!」
「お前ぇさっきの話聞いたんじゃなかったのか?短刀を忘れたんだ。」
「そ、でも、なら何故あの時私を連れて行ってくれなかったんですか!?」
「そりゃ〜分かるだろ。お前が遊郭に入れる歳じゃないからだ。て、しかも遊女はみんな家に帰っていねぇし」
確かによく考えてみたらそうだった。
「すみません。つい...。」
「お前柄にもなく嫉妬してやがったんだな?((苦笑」
「ですからぁ、嫉妬じゃなくて..。」
「嫉妬じゃなくて?」
「嫉妬じゃなくって。。。。。」
「もういいからさっさと飯食って寝ろ。明日はちゃんと稽古つけてやるから」
「本当ですかぁ☆やった〜〜〜」

土方の言葉を聞き無邪気に笑う少年を見て苦笑する土方であった。

おわり

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Novel Editor by BS CGI Rental
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