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いつか終わりがあること 作者:翠川 利桂

最終回   5
どうしてどうしてどうして?


どうしてこんなことになったの?

私はまだ半年の命があった。

それなのに・・・。

数堵・・・。最後に・・・会いたかったよ・・・。


話したかった・・・。









「早く!早く!容態が悪化してます。全身マヒです!!」


看護婦さんの声が大きく響く。

私は今・・・。何をしているんだろう?





















プルルルルルル・・・・



「はい、江渡澤です」


電話を取ったのは数堵。



かかってきたのは病院から。





「はい。はい。えっ・・・!?わっっわかりました!!すぐ!!向かいます!!」




すごい勢いで電話の受話器をばたんと置いた数堵は、

上着を着て外に出て行った。


「実莉っ・・・なんでっっ・・・・。今いくからな・・・待っててくれよ・・・」



そう言っても数堵の家から病院までは3時間もかかる。




「お願いだ・・・・」







数堵は力の限り走った。




















「先生!!なんとかならないんですか!?」

「・・・さっきの衝撃が効いてしまっているんだ・・・あせるなっ・・・。」

「ですが・・・先生!!」





誰・・・?

私を呼ぶのは誰・・・?

ここは何処なの?






どうしてこんなところにいるんだろう・・・・?


数堵・・・は?

私は・・・実莉・・・神埼実莉・・・。

リハビリの最中にたしか、バランスを崩して・・・・。


















私は死んでしまったの?




























「早く!!はやく!!」

数堵は電車に向かってそう叫んだ。

あとちょっとのところなのに・・・。





数堵は走る。走る。
走るのをやめない。止めようとしない。





「実莉っっ!!生きててくれよ!!」



そう言いながら 走って病院の中に入った。


早く・・・・。早く・・・














「先生!!はやくしてください!!もうっ!もう!早くしないと・・・」

看護婦が言った。



「そんなことはわかっている!あせらせないでくれ!!」


「あっ・・・・・。先生っっ!!」





























ピイイイイイイイイイイイイイイイイイ_____________




















「先生っっ・・・・・先生っ・・・どうして・・・」


「すまん・・・また・・・ダメだ・・・・・。」

実莉の緊急手術は成功しなかった・・・。




「実莉!!!」

数堵が飛んできた。 が・・・そこには哀れな実莉の姿。

顔には白い布がかかっていた。











「実莉っ!?実莉!?実莉!?おい!!実莉!?俺だよ!数堵だよ!!
返事、しろよ?!なんで・・・返事してくれよ!!どうしてこんな・・・」


数堵は傍にいた医者に問いかけた。



「先生!!どうしてですか!?どうして実莉は助からなかったんですか!?何でですか!!」










「・・・・・数堵君・・・すまん・・・キミの幼馴染を・・・大切な人を・・・・
救えなかった・・・・すまん・・・・・」




数堵は そこで 座り込んだ。


「どうして・・・・どうして・・・・実莉っ!!お前が好きだっって・・・伝えたかったのに・・・
好きなのに・・・・。どうしてだよっ!!くそっ!!・・・・・」







数堵はそこで思いっきり泣いた。



















数堵・・・最後に・・・会いたかったよ・・・・。



話したかった・・・・。
数堵と・・・・もう一度・・・・話したかったよ・・・・。
















私は・・・・。数堵が・・・・好きだったよ・・・・?







病院には数堵の泣き声と、実莉の病室に最後に置かれた、

「ありがとう」

のメッセージカードだけだった。






















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Novel Editor