ああ・・・私はなんて酷い奴なんだろう・・・・ 数堵の気持ちも知らないで・・・。 自分の意見ばかり通していた。
「実莉さん、そろそろ リハビリのお時間ですよ?」
ドアから看護婦さんがきた。 私はすぐに返事をし、スリッパを履いた。
「・・・・・・。」
今日は数堵がいない。
いつもならリハビリのときは数堵がついてくれていた。
こう、1人になると やっぱり リハビリが大変な気がして。
誰か、支えてくれる人がいれば こんな苦労しないのに。
それに数堵はあれ以来、病院にこなくなった。
・・・私のせいだ・・・。
そう思いながらもリハビリを続けていた。
どうしたんだろう? 身体が、足が、思うように動かない。
なんだか 悲しいよ・・・。 とっても悲しい。
この悲しみは数堵の悲しみ?
それとも、私の?
実莉は そのままバランスを崩した。
だめだ、と思った時にはもう 遅かった。
-----------------ガッッシャーン
ドタン
嫌な音が、病院中に響いた。
|
|