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いつか終わりがあること 作者:翠川 利桂

第4回   4
ああ・・・私はなんて酷い奴なんだろう・・・・
数堵の気持ちも知らないで・・・。
自分の意見ばかり通していた。






「実莉さん、そろそろ リハビリのお時間ですよ?」

ドアから看護婦さんがきた。
私はすぐに返事をし、スリッパを履いた。










「・・・・・・。」

今日は数堵がいない。

いつもならリハビリのときは数堵がついてくれていた。

こう、1人になると やっぱり リハビリが大変な気がして。

誰か、支えてくれる人がいれば こんな苦労しないのに。

それに数堵はあれ以来、病院にこなくなった。


・・・私のせいだ・・・。






そう思いながらもリハビリを続けていた。

どうしたんだろう?
身体が、足が、思うように動かない。



なんだか 悲しいよ・・・。
とっても悲しい。




この悲しみは数堵の悲しみ?

それとも、私の?


実莉は そのままバランスを崩した。

だめだ、と思った時にはもう 遅かった。



-----------------ガッッシャーン

ドタン






嫌な音が、病院中に響いた。





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