沈黙が続く中、言葉をだしたのは実莉の方だった。
「だって・・・。数堵の・・・悲しい顔をみたくなかったんだもんっっ!!」
「だからって・・・お前の命に関わることだぞ!?」
「だって・・・だって・・・数堵に言って何が変わるっていうのよ!?数堵に言ったら、 私の命は助かるの!?私の命は、この世に存在するの!?」
そうだ。数堵に言ったって何も変わりはしない。 ただ、数堵の悲しい顔を見たくないし、数堵に迷惑かけたくなかっただけ。 自分勝手かもしれないけど、私は・・・。
「・・・・・。」
「ごめん・・・」
数堵から出た、思わない言葉。
どうしてそんな悲しい顔をするの?
私の傍で悲しい顔をみせるの?
ねぇ
笑ってよ
笑ってってば
もう嫌だよ
数堵のそんな顔
みたくないよ
笑って・・・数堵
「俺・・・かえる・・・な・・・じゃあな・・・」
「え・・・・」
数堵はイスにかけておいた上着を手に取り、ドアから出て行った。
一瞬の出来事だった。 数堵に・・・酷い事を言ってしまったのだろうか・・・?
どうしてこんな風になるの?
私は・・・・バカだ・・・・。
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