「実莉!」
今日もまた、数堵が私のところへ来てくれた。
「あ、・・・・・・。」 「今日も、来たんだぜ?」 「ありが・・・とう」
正直言って こんな会話は辛かった。 毎日私の為に来てくれている数堵にはとても感謝している。
だけど・・・・。 和堵を騙しているのだ・・・・。 言いにくいの・・・・。
「あ、あのね・・・」 「ん?何だ?実莉。」 「実・・・・は・・あの・・・私・・・・」 「何だよ?もったいぶらないで言えって」 「う・・・うん・・・えっと・・・私ね・・・」
自分で口をつぐんだ。 思い切って言うつもりだった。
だけど、それは私がホントのことを言わなかったことになる。
「私っ・・・あと・・・・半年なのっっ・・・」 「半年・・・?あぁ、あと半年で退院できるってか?」 「ちっ、違うの・・・。私・・・の命・・・あと・・・半年なの・・・っっ」 「命が・・・半年・・・・?」
数堵は少しの間黙った。 沈黙が続く。 彼はやっと理解したようだ。
「な・・・んだよ・・・それ・・・なんでだっ!!なんで・・・・なんでそんな大事なこと・・・・・早く教えなかったんだよ!!実莉っっっっ!!」
彼の声は、 かすれた。
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