今は数堵と楽しくいられるけど、 いつか、それはできなくなる。
いつか終わりがあること-1
私は神埼実莉。 私の命はあと持っても半年。 そう、医者に告げられた。
それから私の生活は一変した。
食べ物もろくに食べず、 寝る事さえままならなかった。
だが、あの人が私のところに来て、それは変わった。
「おう、実莉。元気にしてるか?」 「うん、元気だよ?ほらほら、見てみて。もう、こんなに歩けるようになったの。」
私は足の病気だった。 リハビリをしたから やっと歩けるようになったけど、 私が病院を離れる事はない。 命は・・・あと半年も持たないのだから・・・。
だけど、このことは数堵には伝えてなかった。 そう言ったら、彼は絶対、悲しい顔をする。
彼の悲しい顔なんてみたくないもの・・・。
「なあ、実莉。少し外を歩いてみないか?」 「外を?」
「絶対 暖かくて気持ちいいぞ」 「本当っ!?行ってみたいな〜。」
外に出るのはリハビリ以来、久しぶりだった。 結局私は彼に連れられて、外に出た。
「こんなに気持ちいいだなんて思わなかった。」 「そうか?俺も、実莉に喜んでもらえて嬉しいぜ?」
微笑みながら言う彼の顔はとても優しく見えた。
――――――――――っ
突然、頭に激痛が走った。 頭の中が、壊れてしまいそうな、そんな痛みが。
「どうした?」 数堵は私に気付いたのだろう、頭をおさえている私を心配してくれている。
「ううん、なんでもないの」 「そう・・・か。なら、いいんだ」
・・・・・。 いつまで私は数堵を騙さなくては いけないのだろう・・・。
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