相変わらずギコとしぃなお話です。 今回はちょっとギコがサドいです。 しかもあんまりまとまってないのと、なんかキャラが崩壊しています。スミマセン。 毎度ながら平気な方のみどうぞ
今日は三連休の最後の休日、月曜日。 そんな貴重な休みの日なんてきっと早々ないだろうから、オレはいつも以上にダラけていた。
今回の三連休は珍しく課題もなにもすることがなく、ダラけるのも暇だ。
「暇だ」 さっきからこの言葉を何度呟いただろうか。 この部屋にはオレしかいないから、誰かに言っているとかじゃないんだけど まるで誰かに聞いて欲しいのかのように。
のどが渇いた、とふと気づき 起き上がりリビングに足を運ぶ
階段をゆっくりトントンと音を立てながら降りていく 他にすることがないからできるだけ遅く降りる・・・くだらない時間稼ぎなんて自分でも笑ってしまう。
リビングに辿り着いてしまった、意外と階段って時間かからないんだなぁっと新しい発見をしながら冷蔵庫の扉を開くと・・・
「あれ?牛乳なかったっけ?」 昨日しぃと買い物に行った時2,3本買ったはずだった
確かに今朝の朝食はコーンフレークで牛乳を消費した記憶はあるが、そんなに使った記憶はない。 だけどオレは現にあれから冷蔵庫には触ってないし、まさか牛乳を盗む泥棒なんていないだろう、とオレは一人で考えながら笑ってしまった。 さすがに牛乳を盗む泥棒などいない。
でも、オレが触っていないということはこの家の中にいるもう一人・・・しぃなのかもしれない
別にそこまで牛乳が飲みたいワケじゃないけど、一応彼女に聞いてみることにした。 またゆっくり時間をかけながら階段を上る、少しでも時間を稼ぐために
そしてまたすぐにしぃの部屋の前に着き、ドアを軽くコンコン、とノックする。 すると部屋の中からガサっと音がした、だがそんなことにはオレは気にも留めず返事を待っていると
「あっ、ちょっと待っててね」 というしぃの声 するとその声がした5秒後くらいにドアが開いた
彼女の顔はちょっと焦っている様な表情で、気になったオレは部屋の中をチラっと覗いてみる。
「あっ、なっなにかなっ?ギコくん」 見られたくないのか、彼女は慌てて部屋から廊下に出てドアを閉める
「い、いやっ、別に大した用事じゃないんだけどさっ!冷蔵庫の中にあった牛乳しらないか?」 と、オレが言った瞬間彼女はビクッっと肩が震えた
「えっ、えーっとっ・・・」 彼女はかなり動揺していた、彼女は必死に平静を装っているみたいだが 正直、バレバレだ。
「しぃ・・・・なんか隠してるよな?」 オレは普通に聞いてみたつもりだったが、オレより身長が低い彼女にはオレが怒っているように見えたらしく
「あっ、あのね・・・・」 っと声にならない悲鳴をあげて静寂の時がしばし訪れる
「なぁ・・・なにかオレに隠し事でもあるのか?」 オレの体は自然にしぃの方へと近づいていく
「あっ、あのね・・・・ギコくん・・・」 彼女は慌てはじめる、オレを怒らせていると勘違いしている まぁ、確かにちょっと今怒ってるけど
たかが牛乳でこんなことになるとは流石に予想は出来てなかったが 彼女がなにかを隠しているのは間違いなかった。
「しぃ・・・・」 オレは迫真の演技を続けながら彼女を追い詰める
「ぎ、ギコくん・・あのね・・・・」 さっきからしぃはその言葉を紡ぐけどどうやら話すつもりはないらしい・・・自分のヒミツを。 さっきと違うのは彼女の瞳に潤いが見える 必死に涙を溜めながらオレを上目遣いでみつめる彼女とそんな彼女をドアに押し付けるように追い詰めるオレ。
正直そこまで必死になることでもないけど、やっぱり隠し事をされるのは嫌だしなんかこのまま演技を続けて彼女の慌てる姿を見るのも中々面白味がある。 別にオレはサディストってワケじゃないけど(笑)
そしてオレはとうとうドアノブに手をかけ、ドアを開く すると―――
そこにはいつもの彼女の部屋があった。 おかしい、なんでだろう何も変わらないのなら隠す必要もない。
そもそも牛乳なんてどこにも見当たらないし・・・ そう考えながらオレはふと目を落とすと安堵するしぃの姿
なんかその安心しきった笑顔が余計に気になる
ここはちょっとカマかけてみるか、と思い 脇にあった彼女のベッドに彼女を押し倒す
「きゃっ・・・・」 いきなりのことに彼女も流石に驚く あたりまえだ、オレはいままでこんなことをしたことがないのだから。 彼女を怒ったこともないし、こんな表情を見せたこともないから
「オレ驚いたよ、まさかしぃがそーゆーことしてるなんてなぁ・・・」 適当な口からの出任せだ、特に意味もなく言っている
「えっ?」 彼女はオレがまるで彼女の秘密を知っているのかのようにしゃべっているように見えたらしい
「オレ実はちょっとだけ予想ついちゃったんだけど?」 本当は全然予想なんかついてないし、全然彼女の隠し事もわからない。
「あっ・・・あのねっ・・・ごめんなさい・・・」 いきなり彼女は謝り始める
「えっ?」 いきなりの行動に今度はオレが驚く
「あのね・・・ギコくんに見せたいものがあるんだけど・・・・」 と彼女は言い始める
「あ・・・あぁ、なんだ?」 オレは気になるのでとりあえず見てみようかなと思い聞き返す
「その前に・・・・」 と彼女は頬を赤らめオレに向かって続けた
「このままだと起き上がれないから・・・どいてくれるかな・・・?」 と言う、そこで初めて気づいた
オレは無意識のうちに彼女を押し倒す体制になっていた。
「わっ・・・!ご、ごめんっしぃ!」 こんなことになっているとは全然気づいていなかった・・・正直必死だった。
「じゃあ・・・ちょっとついてきてくれる?」 としぃは言う 彼女が向かうのはベランダ、そして扉に手を掛けガラッっと開けるとそこには――
――猫がいた。
「・・・えっ?」 オレは思わず情けない声をあげてしまった。
「えっ?」 今度は彼女に聞き返されてしまった
てっきりオレは彼女が全部飲んでしまったのを隠しているのかと思ってたけど
まさか猫とは・・・・
そしてその猫たちは元気に牛乳を飲んでいた 確かに、ベランダには牛乳パックの空箱が2個、転がっていた。
そして夕食の時間――
「あははっ、私そんなに牛乳飲まないよー」 オレは結局今日考えていたことを彼女に全部話してしまった。
「だっ、だって!まさか猫とは思わなかったんだよ!」 オレは顔を真っ赤にさせながら彼女に反論する。 すると彼女もオレに
「だって・・・てっきり怒られるかと思ったんだもん。私、ここに住ませてもらってる身なワケなんだし・・・」 彼女は暗い顔をしながら言った
「べつに・・・・怒らないけど・・・なんとなくしぃに隠し事されるのは嫌だし・・・・」
「・・・・・でも、今日のギコくん怖かったなぁっ」
「えっ?」
「だっていきなり表情も言葉遣いも変わるし・・・ドアに押し付けられるし、ベッドに押し倒されるし・・・」 と、しぃが平然と言う 聞いているこっちが恥ずかしくなる 「なっ・・・!違うって!ただあれは演技してただけであって・・!」 オレは一気に顔が赤くなる
「他の女の子にもこーゆーことしてたの?」
「違うって!誤解だって!大体オレ彼女いたことないし!」
「そうなんだっ」 しぃはすっかりいつもの顔に戻り笑顔になる。
オレもつられて笑顔になり、二人で笑った
結局ベランダにいた猫については しぃが「飼いたいなぁ・・・っ」 とおねだりしてきたが、正直オレには飼える自信がなかったから 「ダメ」っと言うと彼女の顔が悲しげになった
オレが慌てて、「でも新しい飼い主は一緒に探すから!」 と言うとぱぁっと笑顔になった。
そして今、知り合いが引き取ってくれるというのでその人の自宅から家に帰る途中だった 「なぁ、しぃ」
「ん?なに?」
「オレ、しぃにだけは隠し事はしないから、だからしぃも何かあったらオレに相談してくれないか?」
「・・・うんっ、ごめんね。ギコくん」
「いいって。今日のことは」
「でも、本当に今日のギコくんは怖かったよ・・・心臓に悪かったよっ」 と彼女は頬をぷぅっと膨らませてオレに言う
「ごめんごめんっ、でもあの時のしぃの顔も可愛かったけどな」 オレは赤くなりながら言う、けど
「あっ、星が綺麗だねっ、ギコくん!」 どうやら彼女は夜空に夢中で聞いてなかったらしい
・・・・がんばって言ったのに
「・・・はぁ・・・じゃあ競争しようか、しぃ!オレより早く家についたら明日コンビニでガリガリ君おごる!」
「やったーっ!じゃあ私がんばっちゃうよー」
そしてオレたちは走り出す
これからは君となんでも言い合えるようになるだろうか
君の気持ちが少しでもわかるようになるだろうか。
これもあの猫たちのおかげか、とオレは猫たちに感謝する。
オレには天然な子猫のような君だけで充分だから。
君の喜ぶ顔が見たくて、オレは走るスピードを少しだけ落とした。
|
|