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時代錯誤 作者:pu-pa

第29回   第四部 第二話
家に帰ってきた二人。

…籠の中には、旨そうな魚が入っている。

しかし、彼らはもう一つ、土産とは言いがたいモノをも伴ってきていた。

清明。

…市の途中でたまたま会い、そのまま付いてきたのだそうだ。

最近の薫は、すっかり清明に懐いてしまっており、何だか気に入らぬ。

例えばオレが間違いを犯した時、清明と薫は手を組み、オレを責めるのだ。

…それに、薫にいらぬ「技術」を吹き込んだのも清明。

薫は清明に会うたびに、色々な「技術」を覚え、オレにオネダリする時などに使用してくる。

何ともやりにくい。本当に。

「…よぅ真。今宵は一緒させてもらうぞ。」

玄関に上がり、草鞋を脱ぐ清明。

まるで自分の家に上がるかのように、違和感の全く無い動作だ。

「…あぁ。」

その一つ一つが、いつもなら苛々とするはずなのに。

なぜか今日は、清明の悪びれる様子も無い無邪気な瞳を見ていると、無性に悲しくなった。

「…む。不満か?」

清明がオレを見上げ、眉をひそめて問いかけてくる。

…どうやら、オレの渋面の持つ意味を、勘違いしているらしい。

「…イヤ。もう少し、女らしく履物を脱げぬものか、と考えていただけだ。」

何やら悶々と悩みを抱える頭だが、その程度の受け答えはできた。

…清明はオレの言葉を受け、一度オレの頭を小突き、そのまま家に上がっていく。

今日も夕飯までの間、薫と「修行」するつもりなのだろう。

議題はもちろん、オレの「弱点」について、だ。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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