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時代錯誤 作者:pu-pa

第26回   第三部 エピローグ
薫が、トコトコと危なっかしい足取りで、お茶を運んでくる。

一つはオレに、もう一つは、清明に。

そしてもう一つ。

―百虎に、だ。

お茶を各々に配った後、薫は茶を乗せていたお盆を抱き、オレの隣に、ゆっくりと正座した。

オレの家の居間で、円陣を組んで座る、オレと清明と、百虎。

―昨夜の事を思うと、あり得ない光景だ、と、我ながら思う。

まさか、忘れたのだろうか。

羅生門でオレと清明に与えた、耐え難い苦痛の数々を。

「・・・・・。」

「・・・・・。」

「何を睨んでいる?」

オレと清明が、マジマジと百虎を見つめていると、唐突に、百虎が口を開いた。

「…貴様、なぜ?」

―百虎の勢いに負けじと、清明が問いかける。

…その通り。

質問が多すぎて、的確な言葉が見つからない。

よって、端的な質問になるのは、仕方ないだろう。

「…楽しそうだからだ。」

そんな清明の問いに対する、百虎の答えも、これまた端的なもの。

「楽しそうだから。」

この言葉は果たして、答えになっている、と言えるのだろうか。

―イヤ、確かに、この男からすれば、その程度のものなのだろう。

羅生門でオレの腕を折ったのも、清明の足を折ったのも、、

―ましてや、オレの式神となるコトを決めたのも。

すべては、己が好奇心の赴くままに動いた結果でしかないのだ。

この男を、制御する自身など、生まれる余地も無い。

―しかし確かなのは、これからの生活が今までよりも、さらにさらに面倒くさくなる、と、そう言うことなのだ…。

…オレは、オレと清明と百虎を、交互にキョロキョロと見まわしている薫の頭を撫で、一つ、ため息を吐き出した…。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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