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ショートストーリー 作者:暗中茂作

第6回   橘くんと博士3
橘くんと博士 その6

「はぁはぁ、橘くん、橘くん、世紀の大発見じゃ」

「どうしたんですか、博士。息をきらして走ってきて」

「落ちついて聞いて欲しいんじゃが、ついさっきワシはすごいシステムを知ったんじゃ。それで真っ先に橘くんに知って欲しくて走ってきたのじゃ」

「へー、どんなシステムですか博士」

「まず、ワシが買ったこの30万の浄水機を誰かに売るじゃろう、そうするとその利益の一部がワシの手元には入るんじゃ。そしてその浄水機を買った誰かが、まただれかにその浄水機を売るとその利益の一部がまたワシの手元に入るんじゃ」

「最初に話したのが私ですから未遂ですけど、マルチ商法は首謀したものだけではなく場合によっては勧誘者も犯罪者になりますよ。とりあえず警察に被害届ですね」                                                                                                                                                                                                     

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Novel Editor