私を含めた私達の種族の先祖は巨大な文明を誇り、その星の中で王者のような存在としてその星に君臨していた。
だが生物的にはとても弱い種族だった。
しかし長い年月をかけて自らの体を変化させ続けることによってだんだんとその殻を破っていった。
最初のきっかけは飢餓など食糧問題のために遺伝子改良で体を小さくしたことだった。
それにより消費するエネルギーが小さくなりカロリーを摂取する量がすくなくてすむようになった。
さらに年月が経ち強い暑さにも寒さにもたえらるようになった。
それでも耐え切れない過酷な環境下をやりすごすためのコールドスリープ様な事も可能になった
ついには細胞の一部から自分のコピーを作ることが可能になり男と女という役割も不必要になっていた。
そのころにはいくつもの同胞の命を奪った不治の病も、自らの手で星を死滅させてしまうような兵器などは過去のものになっていた。
同胞たちの数は「産めよ増えよ地に満ちよ」という古い神の教えを忠実に守るかのように過去の繁栄時よりもさらに増えていた。
そしてある時私は研究対象としてある研究所にいた。
「博士、こいつの生物的な強さにはほんと驚かされますねー」
「そうじゃのう、驚異的な生命力じゃのう」
「そうですねー。それにしてもすごいですねー」
「うむ」
「ほんとすごいですよね、単細胞生物って」
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