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ショートストーリー 作者:暗中茂作

第32回   橘くんと博士12
橘くんと博士 その16

「はー、家のウイルスに感染しちゃったパソコンどうしよっかなー」

「どうしたんだね、橘くん」

「あ、博士いいところに。ウイルスソフト持ってませんか?」

「ウイルスソフトでなにするつもりなんじゃ」

「そりゃもちろんパソコンに入れるんですよ」

「そうか、それならわしの開発したウイルスソフトがあるぞ」

「え?!博士、いつのまにそんなもの作ってたんですか」

「ふぉっふぉっふぉ、わしを見くびってもらっては困るのう。いつも馬鹿なことばかりしてるとおもったら大間違いじゃ」

「…すみません。それでその…機能のほうは大丈夫なんですか?」

「どんなOSでも動作は保障済みじゃ。ちゃんとわしがいろんなパソコンを買ってきて実際に試してみたからのう」

「それなら安心して使えますね」

「うむ、ちなみにこれがそうじゃ。もって行って好きに使うといい」

「ありがとうございます、それじゃー僕は帰らせてもらいます」

「うむ、気をつけて帰るんじゃぞ」

「はーい」



「帰ったか、それにしても橘くんも結構悪じゃのう。ワシの作ったウイルスソフトをパソコンに入れようとするとは。あれはかなり強力な破壊力で、感染力もすごいからのう。入れたら最後確実にそのパソコンをお陀仏にして、さらにネットワークを経由してほかのパソコンにも感染するじゃろう。まあ、天才のワシにかかればそんなウイルスプログラムを組むのも朝飯前じゃ。よし、それじゃ更なるバージョンアップのために研究を続けるとするかの」

※注
ウイルスを駆除したりに使うソフトはアンチウイルスソフトかウイルス対策ソフトあたりが正しい呼称だと思います。

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