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ショートストーリー 作者:暗中茂作

第30回   ナンシーさん山田さん2
僕は山田太郎。読んでとおりの日本人です。きっかけは外国人の友人ナンシーとのちょっとした会話でした。

「ロック?山田さんはロックが好きなんですか?」

「うん、そうなんだ。他の友達には似合わないって言われるんだけど」

「そんなことないです。とてもすばらしい趣味だとおもいます。ナンシーもロック好きです」

「へー、そうなんだ」

「ナンシーの家にロックいっぱいあるから友達のしるしに今度山田さんにプレゼントします」

「ほんと、ありがとう」

それから数日たって、居間でくつろいでいると玄関からナンシーの呼ぶ声がしました。

「こんにちはー、山田さーん。ロックもって来ましたよー。ここあけてくださーい」

「わかったーちょっとまってて今あけるから」

玄関を開けるとそこには少し息を切らしたナンシーと、

大きな岩がありました。

「ha-、これもって歩いてくるのにナンシーちょっと疲れました。でも大切な友達の山田さんためおもてがんばって持ってきました。ナンシー、かれさんすい(枯山水)とかにほんていえん(日本庭園)とか大好きです。山田さんも同じ趣味でナンシーとてもうれしいです。これつかって山田さんもかっこいいお庭造ってください」

その時の僕の思った事は、何で音楽のロックじゃなくて岩のロックなのかとか、家は狭い庭なしの1LDKアパートなんですけどとか、ではなくてナンシーさんて女の人なのに意外と力もちなんだな、でした。

ちなみにその岩は今でも部屋にあります。

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Novel Editor