「ねー、葵ちゃんいいかげん俺と付き合わない?」
「・・・、どちら様でしたっけ?」
「ずっと誘ってるのにつれないなあ、旭川薫だよ。前から声書けているんだからいいかげん覚えほしいなあ。3年の旭川薫って言ったら知らない人はいないのにー。じゃあ、改めて自己紹介するよ。本名、旭川薫。3年B組。八月二十日生まれの獅子座。175センチの67キロ、血液型はB型 趣味は可愛い女の子を眺める事」
「誰もそこまで詳しい自己紹介して欲しいなんて頼んでません」
「だって葵ちゃんがつれないんだもん」
「前から言おうと思ってたんですけど、あなたに下の名前をちゃん付けで呼ばれる筋合いはありません」
「いいじゃん、ケチー、可愛いのにー。葵ちゃんもあなたなんて言わないで名前で呼んでよー」
「じゃあ、旭川先輩、いいかげん僕に付きまとうの止めてくれませんか」
「俺、自分で言うのもなんだけど結構いけてると思うんだけどなあー」
「・・・」
「俺、結構女子の間で人気あるんだよー。この前も告白されたんだー。葵ちゃんいるから断ったけど。でもうかうかしてると他の子と付き合っちゃうかもしれないよー」
「どうぞ、ご自由に。僕には関係ありませんから」
「ほんとにつれないなあ、葵ちゃんてば」
「・・・」
「端正な顔立ち、美しく整った体形、学業優秀、スポーツ万能な俺のどこが嫌なの」
「・・・」
「ねーねー、一体俺のどこが気に入らないの?」
「・・・、なれなれしい態度、自惚れの強いとこはひとまずおいときましょう」
「手厳しいなあ、まあ、んじゃそれで?」
「でも、僕にはどうしても納得出来ないことが一つあるんです」
「えー、なになに教えて」
「僕は」
「僕は?」
「僕は女同士で付き合う気はないんですー!」
「なあんだ、そんなことにこだわってたのか。愛さえあれば性別なんて関係ないんだよー」
「僕にはおおありです!そう言うわけですから僕はこれで」
「あー、待ってよ葵ちゃーん。二人で愛を語り合おうよー」
「あー、もううっとうしい、お願いだからもうほっといて下さいー」
「ねえ、待ってってばー、俺達きっとベストカップルになれるってー」
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