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ショートストーリー 作者:暗中茂作

第3回   柏原葵の受難2
「ねー、葵ちゃんいいかげん俺と付き合わない?」

「・・・、どちら様でしたっけ?」

「ずっと誘ってるのにつれないなあ、旭川薫だよ。前から声書けているんだからいいかげん覚えほしいなあ。3年の旭川薫って言ったら知らない人はいないのにー。じゃあ、改めて自己紹介するよ。本名、旭川薫。3年B組。八月二十日生まれの獅子座。175センチの67キロ、血液型はB型 趣味は可愛い女の子を眺める事」

「誰もそこまで詳しい自己紹介して欲しいなんて頼んでません」

「だって葵ちゃんがつれないんだもん」

「前から言おうと思ってたんですけど、あなたに下の名前をちゃん付けで呼ばれる筋合いはありません」

「いいじゃん、ケチー、可愛いのにー。葵ちゃんもあなたなんて言わないで名前で呼んでよー」

「じゃあ、旭川先輩、いいかげん僕に付きまとうの止めてくれませんか」

「俺、自分で言うのもなんだけど結構いけてると思うんだけどなあー」

「・・・」

「俺、結構女子の間で人気あるんだよー。この前も告白されたんだー。葵ちゃんいるから断ったけど。でもうかうかしてると他の子と付き合っちゃうかもしれないよー」

「どうぞ、ご自由に。僕には関係ありませんから」

「ほんとにつれないなあ、葵ちゃんてば」

「・・・」

「端正な顔立ち、美しく整った体形、学業優秀、スポーツ万能な俺のどこが嫌なの」

「・・・」

「ねーねー、一体俺のどこが気に入らないの?」

「・・・、なれなれしい態度、自惚れの強いとこはひとまずおいときましょう」

「手厳しいなあ、まあ、んじゃそれで?」

「でも、僕にはどうしても納得出来ないことが一つあるんです」

「えー、なになに教えて」

「僕は」

「僕は?」

「僕は女同士で付き合う気はないんですー!」

「なあんだ、そんなことにこだわってたのか。愛さえあれば性別なんて関係ないんだよー」

「僕にはおおありです!そう言うわけですから僕はこれで」

「あー、待ってよ葵ちゃーん。二人で愛を語り合おうよー」

「あー、もううっとうしい、お願いだからもうほっといて下さいー」

「ねえ、待ってってばー、俺達きっとベストカップルになれるってー」

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Novel Editor