橘くんと博士 その11
「いいかね、橘くん。まず、なんと言ってもその作品を構成する重要な要素といえばネタだ。ネタがその作品の中身を九割方決めるといってもいい。だからネタを選ぶときは細心の注意を払わなければいけない。そして作品を味わうときはさらに細やかな神経を持ってネタを味わなければいけない。」
「……」
「まあ、橘くんも黙ってないでお茶でも飲みながら聞くといい。わしが入れてやろう、さあ、どうぞ」
「……博士」
「なんだね、橘くん」
「ちょっと一言いいですか」
「構わんよ」
「博士」
「うむ」
「おごっといてもらってなんですけど、回転寿司の一番安い皿限定って条件で食べながら、寿司についてのうんちくたれるのやめてくれませんか。話の内容もなんかあれだし」
「はっはっは、まあ、いいじゃないか。おにいさん、かっぱ巻きもうひとつ頂戴ねー。できるまでガリをよばれておくとしよう。ガリとあがりはいくらよばれてもただじゃからのう」
橘くんと博士 その12
「博士ー、研究所も雑務が多くて結構大変なんで、人員一人でいいから増やしませんか?」
「うーむ、橘くんが大変なのも分かるがそれはいろいろと大変なんじゃよ」
「そうですか……。あの、やっぱり金銭的に苦しかったりするんですか?」
「いや、これ以上人を増やすと、文の頭に、キャラクターの名前の頭の文字でも入れんと読みづらくなるじゃろう」
「それは作者の都合じゃないですか。まあ、これからも当分の間ツッコミは僕の役目なんでしょうね」
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