「葵先輩、私と付き合ってくれませんか」
「え?」
「私、ずっと、ずっと前から先輩のことが好きだったんです」
「ちょ、ちょっとまってよ。いきなりそんこといわれても」
「そうですね 自己紹介がまだでしたね。私、1年A組の鈴木真美っていいいます。生年月日は9月10日生まれの乙女座です 身長は153センチの体重は47キロ。血液型はAB型。趣味はお菓子作りです」
「そうなんだ、ってそうじゃなくて」
「先輩のことだったらなんでも知ってます。名前は柏原葵。11月25日生まれの射手座。クラスは2年C組。身長160センチで体重は54キロ、血液型はO型。性格は明るくて活発。部活はバスケ部に所属、ポジションはセンター。好きな食べ物は購買のカレーパン。」
「わー、よく知ってるね、ってそうじゃなくて」
「この前のバスケの試合も見ました。試合の終わる直前、2点差で負けていて、もうこのまま負けちゃうんだろうなーって思っていたら、先輩が相手のパスをカットして、スリーポイントシュートを決めて一機に逆転勝利に持ちこんだのを。本当にすごくカッコ良かったです」
「試合見てくれてたんだー、ってだからそうじゃなくて」
「好きなんです、先輩のちょっとハスキーな声とか、さらさらの前髪とか、黒目がちでおっきな瞳とか」
「そんなこといわれても・・・」
「お願いします、先輩が気に入らないとこあったら直します、先輩の言うことだったらなんでもします。だからお願いです、私と付き合ってください」
「ごめん、悪いけど・・・」
「もう誰か付き合ってる人いるんですか?」
「そう言うわけじゃないけど」
「じゃあ、他に好きな人がいるとか?」
「いや、いないけど・・」
「じゃー、なにが理由なんですか。どうして私と付き合ってくれないんですか」
「僕は・・・」
「僕は?」
「だからその・・・」
「先輩、理由があるならはっきりいってください。そうじゃないと納得できません」
「じゃー、言うよ。ちゃんと聞いてね」
「はい。ちゃんと聞きます」
「確かに君は僕から見ても綺麗で可愛いと思うよ。でも僕は」
「はい」
「僕は・・・、僕は、女の子同士で付き合う気はないんだよー。」
「なーんだ、そんなことにこだわってたんですか、愛さえあれば性別なんて関係ありませんよー先輩」
「君がこだわらなくても僕は困るんだよー。じゃ、そう言うわけだから僕はこれで」
「あーん、待ってくださいよー、せんぱーいー。お願いだから付き合ってくださいよー」
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