「ねえ、ねえ、葵ちゃんボクのこと嫌いになったの?」
「どうしたの急に?そんなことないよ」
「ほんとに?最近なんとなく態度が冷たいんだもん」
「気のせいでしょ」
「昔は一緒にいっぱいお話したりしたのに、このごろほとんど口も聞いてくれないじゃない」
「…」
「なんか僕に隠してることでもあるの?それともなにか悩み事とか」
「なんにもないよ。心配しないで」
「そ−お、ならいいんだけど。じゃあ、仲直りのしるしに一緒にお風呂に入ろうよ」
「…あのね、いいかげんにしてよ誉(ほまれ)ちゃん」
「ちゃんづけで呼ばないでよ、子供みたいじゃない」
「見た目も中身も子供でしょう」
「そんなことないもん!葵ちゃんのバカ」
「バカって…、いい誉ちゃん、私も年頃の思春期の女の子なの。誉ちゃんにはわからないかもしれないけど色々あるの」
「やっぱりなにかあるんじゃない。秘密にしないでボクにも教えてよ」
「…言ったらちゃんと分ってくれるの?」
「わかるもん。子供じゃないもん。それからボクの事ちゃんづけじゃなくてちゃんと呼んでよ」
「じゃあ、言うけどね。いいきちんと聞いてよ」
「うん♪」
「年頃で思春期な女の子はね」
「うん」
「少し距離を置いた態度をとるものなの。仲良く一緒にお風呂に入ったりはしないの。分った?お、と、う、さ、ん」
「えー、そんなのやだー。二人で楽しくお話して一緒にお風呂はいろうよー」
「あーもうやっぱりぜんぜん分ってくれないじゃん。一人でお風呂入って寝るからもうついて来ないでよ」
「えーん、葵ちゃん待ってよー。おこんないでよー」
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