■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第9回   プッチのクリスマス9☆本番前日
ご機嫌なプッチは 空中ブランコの練習を再開しました。
「1・2・3・で ピョ〜ンと飛ぶんじゃっ」
おじいさんに飛び移るタイミングを習っています。
マットの上で 飛ぶ練習からです。
『1・2・3・4・5・・・・・6・7・・・』
なかなかプッチは 飛びません。
『1・2・3・・・・・・ピョォォォン・・・』
タイミングがイマイチです。
「1・2・3・ピョ〜ンじゃよ」
プッチは うなずいています。
『1・2・3・・・ピョ〜ン』
なかなか上手くいきません。
おじいさんは 何かいい方法がないか 考えていました。
「お嬢ちゃん。これはどうじゃ?
モン・ブー・ラン・ピョ〜ン」
『たべ・たい・なぁ・ピョ〜ン』
プッチは タイミングよく飛べました。
「・・・・まぁ・・いいじゃろ・・」
おじいさんは 何はともあれ 上手く飛べたので 良しとしました。
次は ブランコに乗っての練習です。
「お嬢ちゃん。さっきの要領で飛んでみるんじゃ」
プッチは 大きく息を吸いました。
『スゥゥゥゥッ・・・。よ〜しっいくぞぉぉぉっ!
モン・ブー・ラン・ピョォォォォォォォン!』
プッチは 長く飛びすぎて着地するはずのブランコを飛び越しました。
『うぎょょょょ〜〜た〜す〜け〜てぇぇぇぇ』
    クルクルッ ストンッ
ブランコを飛び越えたプッチは クルッと回転して下のマットに着地しました。
「パチパチパチパチ〜プッチすげぇ〜な〜」
ケンタが 拍手をしています。
おじいさんは やれやれという感じで 首を振っていました。
「お嬢ちゃん。命綱をつけてあげよう。明日の本番は もっと高い場所でするからね。」
おじいさんはプッチの腰に 太いゴムで出来た命綱を結びつけました。
『ぐふふふっ。なんか安心するわぁ。これで 大丈夫ね。』
プッチは ブランコの上に乗りました。
『モン・ブー・ラン・ピョ〜ン・・・たべ・たい・なぁ・ピョ〜ン
チョコ・クッ・キー・ピョ〜ン・・・たべ・たい・なぁ・ピョ〜ン
くし・だん・ごー・ピョ〜ン・・・たべ・たい・なぁ・ピョ〜ン』
プッチは 何度も何度も ブランコを往復しています。
どうやら プッチには 命綱効果バッチリでした。
ケンタも 火の輪の位置や輪の高さ調節など最後の仕上げに入っています。
プッチとケンタの練習は 夜遅くまで続きました。

「お嬢ちゃん、ケンタ坊や。練習は もうそのへんでやめにしないかね?
ご飯を食べて早く寝ないと 明日が大変じゃよ。」
おじいさんは ふわふわのパンと暖かいシチューを用意してくれました。
『いただきま〜す。う〜ん おいしいね〜ケンタっ』
「うんっ うまいっ」
がんばって練習したプッチ達は ペロリと食べてしまいました。
「いよいよ明日じゃな。お嬢ちゃんもケンタ坊やも よくがんばった。
きっと大成功じゃよ。今日は ゆっくり おやすみ。」
そう言っておじいさんは 帰り支度を始めました。
『ねぇケンタ。明日 衣装とかあるのかな〜?
私ねっ 着て見たい服があるのよ。』
「へぇ。どんな?」
プッチは 目をキラキラさせて言いました。
『たまにね。公園をね 女の子が通るの。
ピンク色に白の水玉の服なの。ひらひらしたフリルがいーーーっぱいついてて〜
頭にも おっきなりボンつけてて〜 すごくかわいいの。』
ケンタも その女の子は 見た事があります。
ピアノの発表会に出かける女の子でした。
「プッチは絶対あの服似合うよ!
もしかしたら サンタさんが今晩持ってきてくれるかもっ!早く寝ようっ。」
『ほんと?!じゃーもう寝なくちゃっ。おじいさん おやすみっ。
また明日。ぐぅぐぅ・・・ぐぅすかぴぃー』
おじいさんは にっこり笑って そっと扉を閉めました。・・・つづく











 

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor