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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第8回   プッチのクリスマス8☆プッチの心配
にやけ顔のケンタをよそに プッチは空中ブランコの練習に入りました。
プッチは ブランコが少し苦手でした。
公園のブランコで 子供達が遊んだ後 まだ揺れているブランコに近づき
腰掛けの部分で イヤというほど強く鼻をぶつけたからです。
鼻血が出て悲しかった思い出がありました。
「お嬢ちゃん。最初は 上に乗ってバランスの練習からじゃよ。
その次は ブランコからブランコに飛び移る練習じゃ。」
プッチは そ〜っと 上に乗ってみました。
玉乗りをマスターしているプッチには 
ゆらゆらと動くブランコの上に乗る事は簡単でした。
「ほぉ。たいしたもんじゃ。じゃぁ その手前のブランコに飛び移ってごらん。」
プッチは なかなか飛び移るタイミングがとれません。
ゆらゆら揺れるブランコの上にずっと座ったままです。
『・・・・。うぐっ・・・・うぐ・・・・』
     ドスンッ
プッチはブランコから落ちてしまいました。
あまりにも長く揺られすぎて ぶらんこ酔いをしていたのです。
おじいさんに 冷たいタオルでおでこを冷やしてもらいました。
「プッチ だいじょうぶか?」
ケンタも心配してプッチの側にきました。
『うぅ・・。気持ち悪かったよ・・・。でも もうすぐよくなりそうだよ・・・。
なんかね・・・おでこが痛いんだけど・・・・。」
ケンタは おでこに当てたタオルを取ってみました。
「うぷっ。」
『ねぇ・・ケンタ・・。今 うぷって 笑わなかった?』
ケンタは 大きく首を横に振りました。
「笑ってないよぉ。何言ってんだよ〜。うぷっっ。」
ケンタは 鼻をヒクヒクさせて笑うのを我慢している様子です。
『あぁーーっ 絶対 今うぷって笑ったっっっ!!何よっ!何かなってんの??』
ケンタは 口をギュッとして 笑うのをとっても我慢していました。
『なんなのよ〜。変なケンタっ。
あぁ でもだいぶん気分がよくなった〜。
おじいさん おトイレに行ってくるね。よぉ〜しっ また練習再開ねっ』
プッチはそう言って 校庭の隅のお入トイレに行きました。
『うぎゃゃゃゃゃっ!!!ぐあぁっなんなのよぉぉぉぉぉ!!!』
プッチが大声で叫んでいます。
手を洗う場所に設置された鏡を見て プッチはびっくりしました。
おでこに ソフトボールくらいの コブができていたのです。
ブランコから 落ちた時 おでこを強く打ったせいです。
ケンタは 大きすぎるコブを見て 笑うのを我慢していたのでした。
おトイレから戻ったプッチは あまりのコブの大きさにショックを隠しきれない様子です。
『うぐ・・・こんなに大きなコブ・・・。当日までになくなるかしら・・・。
もし一生このままだったら・・・
でこっぱちプッチとか こぶっちとか言われるんだわぁぁ』
あだ名の心配をしているプッチにおじいさんは
アイスノン入りターバンを巻いてくれました。
「ほ〜れお嬢ちゃん。これで 一日中冷やしていれば コブはなくなるじゃろ」
プッチは また手洗い場所の鏡を見に行きました。
ターバンは プッチの大好きなピンク色の布でした。
『ぐふふふふっっ。私って・・・かわゆいわぁ〜』
体育館に戻ったプッチは すっかりご機嫌でした。・・・つづく


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Novel Editor