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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第7回   プッチのクリスマス7☆ケンタの弱点
「何言ってんだよぉぉぉ。出来るわけないじゃんっっ!
オレっ絶対やんないからなっ!ったく 何言い出すんだよぉぉ」
ケンタは 落としたサンドウィッチをまた食べ始めました。
『いいじゃんっ!やってよ〜っ。
ケンタは もともと茶色の毛なんだから ちょっと焦げてもわかんないじゃん〜』
なかなかケンタは 知らんぷりです。
『火の輪くぐりってさぁ〜なんだか男の子っぽくて かっこいいと思うよ〜』
ケンタは 聞こえないフリをして ミルクを飲んでいます。
『・・・。』
プッチは どうしたら ケンタが「うん」と言うか 考えました。
『私、ワイルドな感じの男の子にあこがれちゃうわ〜。
例えば〜水中に何時間も潜って 魚をくわえて上がってくるとか〜』
プッチは チラっと ケンタを見ましたが 反応はなしです。
『た・例えば〜山の中で何ヶ月も 飲まず食わずで 毒蛇と戦うとか〜』
プッチの話を聞いて おじいさんは首をかしげています。
おじいさんには プッチの求めるワイルドさが 理解できませんでした。
『あっ これは最高にワイルドだわっ。
火事になった時 火の輪っかをくぐりながら愛する者を助け出すっ。
だけど いつ家事になるかわからないからねぇ・・・
練習してないと 助けられないわね・・・』
おじいさんは プッチの言っている シュチュレーションが イマイチ理解できませんでした。
おじいさんは たまらずプッチに声をかけました。
「お嬢ちゃん。もういいではないか。ケンタ坊やは イヤだと言ってるんじゃ。
今回は 火の輪くぐりはなしとし・・・」
「やれば いいんだろっ!オレにまかせろよっ!」
おじいさんが話している途中でケンタは言いました。
びっくりしているおじいさんに プッチはウインクをしました。
ケンタは もしこの体育館が火事になった時に プッチを助けるため
何重もの火の輪をくぐっていく自分の姿を想像していました。
そしてプッチがほっぺにありがとう≠フキッスをしてくれる事まで考えていました。
(なんだよ〜プッチ〜やめろよ〜〜)(ケンタってすご〜くワイルドだわぁ〜)
プッチとおじいさんがケンタの顔を覗き込んで見ると ニヤニヤしていました。
『・・・おじいさん。ケンタはしばらくこのままにして
空中ブランコの練習しようよ・・・。』・・・つづく

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Novel Editor