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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第5回   プッチのクリスマス5☆友達
午後からのプッチは サーカスの練習ができるので わくわくでした。
準備運動をしてから おじいさんに連れられ 隣町へ出かけました。
途中 野良犬仲間の『ケンタ』に会いました。
ケンタは 茶色の雑種です。ケンタは 真っ白のプッチが大好きでした。
「お〜いプッチ〜!どこに行くんだよ〜〜!
一緒にニコニコから揚げ屋に遊びに行こうぜっ!
今日はから揚げが いっぱいもらえるデーだぜ〜」
ちょっぴり心が動きそうだったけど サーカスの練習がしたいプッチは我慢しました。
『ごめんね〜。今日はだめなんだよ〜。
今から大事な用があるから〜。また誘ってね〜ばいばいっっ』
ケンタは プッチに断られてちょっぴりガッカリでした。
「・・・なんなんだよ・・・大事な用って・・・。」
ケンタは スタスタ歩いていくプッチを じっと見つめていました。
 
隣町は プッチが住んでいる町に比べ 静かな所でした。
小さな小学校の体育館の前で おじいさんは足を止めました。
プッチは 周りを見渡しました。
「今日は冬休みだから 誰もおらんのじゃ。さぁ 中へ。」
おじいさんが 扉を開けました。
『うわぁ〜。すごいね〜〜。こんなのいつ準備したの〜?』
中には サーカスで使う道具がたくさんありました。
体育館の中をプッチは走ってみました。
プッチは ピンク色の玉に 飛び乗ってみました。
『うわっっっ!あいたたたっ!』
「わっはっはっ!お嬢ちゃん。そんなに急にはムリじゃよ。」
おじいさんは 笑っています。
プッチは このピンク玉が気に入ったみたいです。
「よしっ。まずは お嬢ちゃんが気に入った玉乗りの練習からじゃ。」
プッチは 尻尾をって喜びました。
「初めは わしの手を持って そぉ〜っと立ってごらん。」
プッチは おじいさんの手をしっかり握って そぉ〜っと立ってみました。
『よいしょ・・。うわ〜立てた立てた〜っ。
やった〜おじいさんすごいでしょ??ほらほらっ 立ててるよ〜〜・・・ぐぁっ』
プッチは玉から ツルッと足を滑らせてドスンとしりもちをつきました。
『痛〜い・・。うぐっ・・・。痛いよ〜・・。』
「お嬢ちゃんが 暴れるからじゃよ・・・。ゆっくりバランスを取るんじゃ。」
プッチは 何度も何度もチャレンジしました。
でもどうしても グラグラして 上手く乗れません。
だんだん 外も暗くなってきました。
プッチも元気がなくなっています。
(うぅ・・っ・・・ハラペコリンコだよ・・・)
プッチは お腹がすいていました。
おじいさんは プッチの練習にずっと付き合っていたので ご飯をまだ用意していませんでした。
(・・・クンクン・・クンクン・・・ん??)
おじいさんは プッチのそばにいるのに いいにおいがしてきました。
『おじいさん・・・。なんだか おいしそうなにおいがしない?』
プッチはおじいさんに聞きました。
「うむ・・確かに・・・どこからじゃろうな・・」
   ガサッガサッ ガサッガサッ
外で物音がしました。
プッチは おじいさんに しがみつきました。
扉の裏に誰かがいます。
おじいさんは ぷっちを抱きかかえ そっと扉を開けました。
『あっ!』
そこにいたのは ケンタでした。
首に ビニール袋をぶら下げています。
「こ・こ・こんばんは〜毎度〜ケンタのから揚げ宅配サービスですぅ〜」
その袋にはニコニコから揚げ≠ニ書いています。
ケンタはプッチとおじいさんの後をこっそりつけていたのです。
ずっとずっとプッチの練習を見ていたのですが 夕方になったので
プッチ達のために オリジナルから揚げを持ってきたのでした。
『ケンタっありがとうっ!!ハラペコリンコだったんだよ〜
おじいさん 一緒に食べようよ〜』
おじいさんはニッコリ笑って プッチとケンタに暖かいミルクを用意してくれました。
『いっただきま〜〜〜すっ。
うぉっ おいしいね〜。ほらっおじいさんとケンタも食べなよ〜』
ケンタはプッチが喜んでくれて とても嬉しかったです。・・・つづく 



 

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Novel Editor