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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第2回   プッチのクリスマス2☆
「はぁ・・・」
おじいさんは またため息をつきました。
『太っちょ・・・あっ・・おじいさん、どうしたの?
さっきから ずっと ため息ばかりついてるよ?何か悩みがあるの?』
プッチは おじいさんに聞いてみました。
おじいさんは プッチの頭をなでて話し出しました。
「実はのぉ・・。わしには 大勢の孫がいるんじゃよ。
その孫達が 毎年クリスマスプレゼントは何が欲しいか
お手紙をくれるんじゃ。
今年も いつものように お手紙が届いたんじゃが・・・」
そう言うと ポケットから たくさんのお手紙を出しました。
プッチは 一通一通読みました。
『おじいさん。今年は サッカーシューズが欲しいです。
ふぅ〜ん サッカー少年か〜』
「いや 女の子じゃ。」
おじいさんが そう言うとプッチは 軽く咳払いをして 
次のお手紙を読みました。
『おじいさん、いつもありがとう。今年は大きなフルーツ盛が食べたいです。』
『今年はふわふわの マフラーが欲しいです。』
10通くらい読んで プッチは おじいさんに言いました。
『・・・。どこが 困るの?買うお金がないの?』
おじいさんは 首をふって言いました。
「いや・・お金がないのではないのじゃ。問題は この手紙なのじゃ。」
そう言うと 他のポケットから 一通の手紙を出しました。
(・・・。最初から それを見せろよ〜・・・)
プッチは心の中で少し思いました。
『えーっと・・・。おじいさん こんにちは。
毎年 プレゼントありがとうっ。随分前にサーカスを見に行きました。
そこで見たショーを クリスマスの日に もう一度見たいです。
サーカス貸切の券をください。』
プッチは サーカスは電気屋さんのテレビで流れていたのを一度見た事がありました。
おじいさんは プッチに言いました。
「今からでは サーカス団の貸切は無理じゃよ・・・。
でも 毎年 必ずお願いされたプレゼントは 届けているのじゃ・・・
はぁ・・・どうしようかなぁ・・・・」
プッチも 困った顔をしています。
友達にライオンやトラやゾウはいません。
おじいさんは しばらく目を閉じて考えていました。
そして 何か思いついたように パッと目を開けました。
「そうじゃっ。お嬢ちゃん、出てみないかな?」
プッチは 突然の抜擢に びっくりして 目がまん丸になりました。・・・つづく



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Novel Editor