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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

最終回   プッチのクリスマス12☆最高のクリスマス
元気よく プッチとケンタはステージに飛び出しました。
ステージには ミニミニサーカス わんちゃんショー≠ニ書かれていました。
プッチは 玉乗りをしながら ステージの上をくるくる回っています。
ケンタは フラフープをくるくる腰で廻しています。
(うぉっ ケンタいつの間に あんなワザを・・・)
ビックリしているプッチにケンタは ピースをして見せました。
「やぁやぁ いらっしやいませ〜。」
おじいさんがステージに立ちました。
プッチとケンタは おじいさんの横に揃って座りました。
おじいさんは キンキラキンのスーツを着て 
首に大きな蝶ネクタイをつけていました。
「なぁ・・・プッチ・・・。
おじいさんも サンタさんから 服もらったのかなぁ・・・」
『・・・きっとそうだよ・・・。だって こんなヘンテコな服の趣味・・』
そのヘンテコな趣味の服を着たおじいさんは なぜか上機嫌の様子です。
「えぇ・・・っと。今日はプッチお嬢ちゃんとケンタ坊やが
君のためだけに ショーをします。
彼らは 今日この日のため短い期間でいろいろなワザをマスターしました。
それでは ご覧下さいっっっ。
まずは プッチお嬢ちゃんの投げ輪キャッチ!!」
プッチは おじいさんが投げる輪を 上手に首にかけました。
(ぐふふふっ いい感じ〜)
腕でキャッチ・足でキャッチ・尻尾でキャッチ。
プッチは 1つも落とさずに クリアーしました。
続いて ボール投げです。おじいさんがボールを投げました。
プッチは口でナイスキャッチしています。
ケンタも出番ではないのにステージの上にいます。
プッチは いいことを思いつきました。
おじいさんが投げたボールを尻尾でケンタのいる方向へ打ってみました。
突然ボールが自分に向かって飛んできたので ケンタは逃げてしまいました。
プッチは ほっぺをプーッと膨らませて見せました。
「あはははっ。マヌケだなぁ〜」
男の子が笑っています。
ケンタは もう1回という風なジェスチャーしています。
おじいさんがプッチにボールを投げてプッチが尻尾でケンタに打ちました。
今度は ナイスキャッチでした。
男の子がケンタに拍手しています。
ケンタは胸を張って自慢げに立っていました。
次は平均台です。
プッチはリズムに合わせて 平均台の上でダンスをしてみせました。
「プッチ〜アイドルみたいだ〜〜」
ダンスをしているプッチを見てケンタは目がハートマークでした。
そんなケンタの番がやってきました。
おじいさんが輪っかに火をつけました。
ケンタは ピエロ服を袖まくりして スタンバイOKです。
『ケンタっ がんばってねっっっ。』
プッチがケンタにウインクしました。
一瞬ケンタの顔が緩みました。
おじいさんがスティックを振り上げました。
ケンタがジャンプをする合図です。
勢いよく 火の輪に走っていきました。
   ジャ〜〜ンプッ
「わぁ〜すごいね〜」
男の子は喜んでいます。
ケンタは 5つの火の輪を難無くクリアーして見せました。
『ケンタっ。やったねっっ』
ケンタは プッチからのよかったねのキスを期待してほっぺを突き出しました。
『何してんの?ちょっと 次 空中ブランコなんだから 早く向こう行ってっ』
期待はずれで ケンタはちょっぴりガッカリでした。
おじいさんがステージの真ん中に立っています。
「さていよいよ これが最後です。プッチお嬢ちゃんの 空中ブランコ〜〜。」
プッチにスポッとライトが当たっています。
でも プッチの表情は固まっています。
じっとしたまま動きません。
心配になってケンタが小声でプッチに話しかけました。
「お〜ぃ・・どうしたんだよ。始まってるぜっ。」
プッチは動きません。
よ〜く見ると プッチの腰に命綱がついていないのです。
「命綱どこにあるんだ?持ってきてやるよっ」
おじいさんが 大慌てでやってきました。
「しまったーっ。
衣装に気をとられていて体育館から持ってくるのを忘れてしまったのじゃよ・・・。
もう取りには戻れんしのぉ・・・。困った・・。」
それを聞いてケンタはプッチをじっと見て考えていました。
客席では男の子もどうしたのかと心配そうな顔になっています。
「よしっ」
ケンタは どこかへ走っていきました。
「ケンタ坊や。今から体育館に戻っても・・・」
おじいさんの声はもう届いていませんでした。
「プッチ!!」
ケンタがプッチを呼んでいます。
プッチは キョロキョロしてケンタを探しました。
ケンタはいません。
「プッチっ。こっちこっち」
声のするほうを見ると ケンタが反対側のブランコに乗っていました。
『ケンタっ。何してんの??』
プッチがビックリして聞くと ケンタはピースをして言いました。
「俺が ここにいるから プッチ飛んで来いっ!
もし 落っこちそうになったら 俺が助けてやるから安心しろっ!」
ケンタは男らしく胸を張って言いました。
『ケンタ・・・。』
プッチは 大きくうなづきました。
ケンタを信じて 大きく息を吸いました。
『スゥゥゥゥッ。よしっ。モン・ブー・ラン・ピョ〜ン』
プッチは上手くケンタの乗っているブランコに飛び移りました。
『ケンタ やった〜』
ケンタは プッチの嬉しそうな顔をみて 安心しました。
それから一緒にブランコを何度も往復しました。
ステージの上に降りたプッチとケンタは ぺこりとお辞儀をしました。
男の子もたくさんの拍手をくれました。
サーカスは大成功でした。

おじいさんに車で公園まで送ってもらったプッチとケンタは
まだ ドキドキと興奮していました。
『大成功だったね〜。おじいさん 楽しかったよ〜。』
おじいさんは にっこり笑っていました。
『ねぇ また明日もおじいさんに会える?』
プッチは にこにこしながら おじいさんに聞いてみました。
すると おじいさんは プッチとケンタの頭をなでながら言いました。
「実は 明日から遠い場所に行かなくてはならんのじゃよ・・。
だから 明日からは会えんのじゃ。」
プッチは淋しそうな目でおじいさんを見ました。
「でも またいつか いい子にしていたら きっと会いにくるからね。」
『絶対だよっ。いい子にしてるから 絶対にまたあいにきてねっ。
楽しかったっ。ありがとうっ。さようならっっ』
プッチは おじいさんにお別れを言いました。
ケンタは 涙ポロポロでした。

プッチとケンタは公園のベンチで夜空を眺めていました。
今日は 満天の星空です。
すると どこからともなく鈴の音が聞こえてきました。
そして ソリに乗った サンタクロースが近づいてきました。
プッチとケンタの前まできて止まると
「メリークリスマス。プレゼントだよ〜」
そう言ってそれぞれに手渡すと また 星空へ去って行きました。
プッチとケンタは 信じられないという顔で お互い顔を見合いました。
『・・・今の・・・サンタさんだわね??』
「う・ぅん・・たぶん・・・だけど ちょっとだけおじいさんに似てなかった?」
プッチとケンタは まさかねぇ〜・・・という感じで 空を見上げました。
そして手渡されたプレゼントの箱を眺め にんまりとしました。
『なんだと思う?』
「開けてみようかっ」
プッチとケンタは 箱を開けてみました。
『うわぁ〜。ケンタ見て〜。ワンピースよ〜♪サンタさんありがとうっっ。
ねぇ ケンタは何?』
ケンタは プレゼントを見て あわてて箱にしまいました。
「えっ?たいしたものじゃないよっ。」
『なによ〜。見せてくれてもいいじゃんっ!ケチッ』
プッチは ほっぺをプゥ〜ッと膨らませて言いました。
だけどケンタは見せてくれません。
「さっもう遅いから帰ろう〜。プッチまたなっ。おやすみ〜」
ケンタは そそくさと帰っていきました。
『ケンタったら ケチなんだからっっ。明日もう一度 聞いてみよっと。
さぁ私も寝ようかな〜。・・・・ぐぅぐぅ・・・ぐうすかぴぃ〜〜』
こうしてプッチの最高にエキサイティングなクリスマスは終わりました。
ちなみに ケンタのサンタさんからもらったプレゼントは
必殺 女心≠ニいうデート攻略本でした。・・・おしまい


  


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