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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第11回   プッチのクリスマス11☆男の子
朝ごはんを食べて お昼ごはんを食べて 3時のおやつを食べて 
あっという間に夕方になりました。
おじいさんは プッチとケンタを車に乗せました。
そしてトランクに あのピエロ服を入れました。
『・・・やっぱり 持っていくんだ・・・。』
プッチもケンタもまだ あのピエロ服は気に入っていませんでした。
車を一時間くらい走らせ 小さな建物が見えてきました。
そこは 静かな森の中でした。
おじいさんは 建物の前に車を止めました。
「着いたよ。さぁ降りよう。
あっトランクから服をもっていくの忘れるんじゃないよ。」
おじいさんに言われ 渋々トランクから自分達の衣装を持ち 建物の中へ入りました。
建物の中は 静かでした。
「今日は 男の子一人のための ショーじゃから 静かなんじゃよ。
ん〜まだ 着ておらんようじゃな。
今のうちに着替えておいで。」
プッチとケンタは 一番奥にある部屋に入りました。
「・・・プッチ・・・。まじで これ・・・着るのか?」
ケンタは 口をとんがらせてプッチに聞きました。
『う・・ん・・。だって・・せっかくサンタさんがプレゼントしてくれたのに・・
どこかで見てるかもしれないから 着ないと悪いでしょ・・・。』
ピエロ服に着替えたプッチとケンタは鏡を見てみました。
『ぷーーっっ。ケンターっ超〜変〜〜っ。ぷぷーっ』
「なんだよ〜っ。プッチだって〜〜うぷっぷっ。」
お互いを見合って笑いました。
『ぷぷっー。なんか笑ったらスッキリした〜っ。』
「うんうんっ。よ〜しっサーカス成功させるぞぉぉぉっ」
そう言ってケンタは手を前に出しました。
『うんっ。絶対成功させるぞぉっ。』
プッチも手を前に出し ケンタの手の上に乗せました。
『オーッ!!』「オーッ!!」
遠くから 賑やかな音楽が聞こえてきました。
プッチとケンタは 急いでステージの袖に走って行きました。
そっと覗いてみると 一人の男の子が見えます。
『あれ?』
プッチは じっと男の子を見ています。
おじいさんも ステージの袖にきました。
「あの子は 5才のとき交通事故に遭ってのぉ・・。
サーカスを見に行ったのは 事故に遭う前の年のクリスマスじゃった。
あれから5年じゃ・・・。ずっと足が動かないままらしい・・。
リハビリも辛いと言ってやらないみたいなんじゃよ・・・。」
おじいさんが プッチ達に話していると
ステージに色とりどりのライトが点き 曲が激しくなりました。
いよいよサーカスの始まりです。・・・つづく



 

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Novel Editor