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プッチのクリスマス 作者:真珠 まろん

第10回   プッチのクリスマス10☆サンタさんからのプレゼント?
『ぐぁぁぁっ・・・。』
大声をあげて プッチは 飛び起きました。
おでこに汗をいっぱいかいています。
「ん・・・なんだ?どうしたんだよ・・。」
プッチの大声でケンタも目が覚めました。
「もう顔洗ってきたのか?拭けよ。おでこ濡れてるぜ?
ん?おでこ・・・コブ小さくなってるよ。よかったなっプッチ。」
ケンタが話しかけても プッチは黙っています。
「どうかしたのか?コブも小さくなってるのに 何か心配事でもあるみたいな顔して。」
プッチの様子に ケンタは心配しています。
『あのね・・夢を見たんだ・・・。
玉乗りも平均台も ぜ〜んぶ上手くいったんだけど・・・
空中ブランコの時に命綱が切れちゃって・・・
うぎゃゃって 下にまっ逆さまよ・・・』
プッチは 悪い夢を見たのでした。
「そんなこと ありっこないよっ!だって あ〜んなに 太いゴム切れっこないじゃんっ。
それにプッチは 命綱なしでも 絶対上手くいくよ〜。」
ケンタは プッチを元気にさせようと 真剣です。
「もしも・・あっもしもの話だよっ。切れちゃっても 昨日みたいに  
クルクル〜っストンて 着地すればいいじゃん!
あっ それの方が 盛り上がるぜっ きっとっ」
プッチは 一生懸命のケンタに にっこり笑って言いました。
『ケンタありがとうっ。そうだよね〜切れるわけないよね〜。
切れても クルクル〜ストンだね〜。』
プッチは ちょっと元気になりました。
『ん?おっ!ケンタケンタっっこれ見てよっっ!』
プッチとケンタの横に 一つずつ金色の紙袋が置いてありました。
「・・・昨日寝るときは こんなのなかったよな〜〜って〜ことは〜??」
『って〜ことは〜〜〜サンタさんだっ!』
プッチ達は 顔を見合わせて にんまり笑いました。
そして こっそり紙袋の中を覗いてみました。
「・・・なんか布みたいだぞっ。プッチは?」
『ちょっと待ってね・・・あっ!』
プッチは 目をキラキラさせています。
「なんなんだよ〜。食いもんか?」
『もうっ 違うよぉっ。ぐふふふふ〜
あのね〜ピンク色で〜白の〜水玉の〜〜〜ひらひらしたのが入ってるぅぅぅぅっ』
昨日の夜 プッチが着たいと言っていた服のイメージにピッタリです。
「じゃー せぇので 出してみようぜっ。せぇぇのっ!」
紙袋から 同時に取り出しました。
『わぁ〜いっっ・・・・ん?うぬ!!・・・・・。』
プッチは なんだか固まっています。
「これって・・・。」
ケンタもです。
紙袋の中身は プッチはピンクに白の水玉・ケンタはブルーに黄土色の水玉の
ひらひらフリルがいっぱい付いたピエロ衣装でした。
『なんでピエロ服なのよっっっ!!こんなのじゃなくって 
もっと こぉ〜んな感じでっ ここにフリルが付いててっっっ』
プッチは興奮しています。
「・・・これって・・・色のセンス・・・悪すぎない??青に・・うんち色だぜ・・・」
ケンタは色が問題の様子です。
「おはようっ。お嬢ちゃん ケンタ坊や ぐっすり眠れたかね?」
おじいさんが やってきました。
「おやっ なんじゃ〜プレゼントをもらったのかい?かわいい衣装じゃないか〜。
うむっ お嬢ちゃんが昨日言ってたのと そっくりじゃ。
おっ ケンタ坊やは 色違いじゃな〜。
ふほふほっ がんばったから きっとサンタさんからのご褒美じゃのぉ。ん?」
なんだかガッカリしているプッチ達を見て心配そうに聞きました。
「ど・ど・どうしたんじゃ?気に入っておらんのか?」
『色は同じなんだけど・・・これ・・・ピエロ服じゃん・・
私が欲しかったのは ワンピースなの・・・』
「これ・・・色最悪じゃんっ。ったくサンタってセンスないぜ・・・」
おじいさんは なぜかちょっぴり困った顔をして言いました。
「で・でも お嬢ちゃん。サーカスにワンピースでは 裾を踏んでケガしては危ないからのぉ。
ケンタ坊やも なかなか男の子っぽくて カッコイイぞ〜。似合いそうじゃよ。」
おじいさんは この冬の寒い中 なぜだか汗を拭き
一生懸命プッチ達を納得させようとしています。
「そうじゃっ。ご飯を食べよう。そして夕方まで今日はゆっくりしよう。」
おじいさんは そう言いながら ハンバーガーを渡しました。
『・・・いただきます・・・』「いただきます・・」
プッチとケンタは おしゃべりもしないで 黙って食べています。・・・つづく
 



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Novel Editor