「いらっしやいませ〜。」「ありがとうございました〜。またどうぞ〜。」 ここは 大型デパートの3階ギャル服専門店だ。 連日 茶髪の若い店員達の甲高い声が聞こえる。 「以上5点ですね〜。合計で 1万400円になりま〜す。」 《・・・意外と安いな・・・。あっ今日は バーゲンだからか・・・。》 「ありがとうございます。1・2・3・・・こちら3点で 8500円です。」 《おっ いよいよ オイラの出番だなっ》 ジョージっ 次 お前の番じゃない?∞お別れね・・・またいつか会いましょう・・ ジョージっ 元気でなっ 《おぅっ みんなのことは 忘れないさっ。 元気でなっ あばよっ》 「ありがとうございました〜。またお待ちしてま〜す。」
《オイラは ジョージ。職業・・・運び屋・・・とでも言っておくか・・。 クールなイケメンだと みんなは言うが ふっ・・そんなことはないさ・・・。 ん?どうして ギャル服専門店に居たかって? オイラは依頼があれば どこにだって行くし 何でも運ぶぜっ。 今までも いろんな物 運んできたぜ。 この前までは クールな・・・おっと・・自分で言っちまった・・。 オイラにぴったりの メンズショップにいたんだが・・・ 長旅の末 ギャル服専門店に 流れ着いたったことさっ。》
・・・ジョージは紙袋。再生されて ギャル服専門店の紙袋になったのだった・・・
「ねぇ〜。この袋 かわいいよねぇ。」 さっきまで居た ギャル服専門店の店員と大して変わらないギャルが言った。 《ふっ かわいいなんて言うなよ・・・。照れるじゃねぇか。 ちょっと前のおいらを知っていたら かわいいなんて言葉は 出てこないぜ。 前は ブラックメタリックの 渋い大人の男って感じだったんだからな・・・》
・・・ジョージは今回 ショッキングピンクに シルバーのハートが クローバーみたいに配置されたデザインになっている・・・
ジョージは 空を見上げ 昔を懐かしんでいた。 ギャルは 彼氏らしき男と腕を組んでいる。 《仲がよろしいのは なによりなんだが・・・ベイビー 一つ言ってもいいかい? 腕を組んでいない方の手で オイラを持ってくれよ・・・》 ジョージは ギャルと彼氏の間に挟まっていた。 《やれやれ・・・聞いちゃいないさ・・・。》 ジョージは 挟まれたまま レストランへ入っていった。 「私〜ハンバーグ食べた〜い」 《ハンバーグは 和風にしろ。きのこソースがヘルシーで体にいいからなっ》 「イタリアンハンバーグの〜Aセットね〜」 《・・・聞いちゃいないさっ》 ジョージは じっと ギャルと彼氏の会話を聞いていた。 「ねぇ〜今日買った服さ〜 似合ってた?」 「あぁ。」 「ピンクの方が かわいかったよね〜?」 「あぁ。」 「だけど〜大人っぽい黒にしちゃった〜。」 「あぁ。」 《おいおい・・・あぁ意外に何かないのか? 君なら何着ても素敵だとかさ〜・・・》 ジョージは やれやれという感じで 見ていた。 「ていうか〜お前。」 《おっ!そうだほめるんだっ》 彼氏の次の言葉を 待ちました。 「ハンバーグ・・・俺のと換えてくんない?」 《・・・ハンバーグの話なんかしてんじゃねぇよっ》・・・つづく
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