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実験投機的絵本物語 作者:フォン=マンハイム

第2回   王様
町々が赤いレンガのきれいな王国に お化け騎士の少年はやってきました。
お化け騎士の少年は 今まで見たことのないほどきれいな国におどきました。
そして 国の人たちはとっても幸せで お化け騎士の少年は良い事をできるのかと 心配しました

でも
国の人たちは みんなみんなやせて 辛そうに かなしそうな顔をしていました。

どうしてなの?
国の人たちに お化け騎士の少年が聞くと

何年も何年も雨がふっていないので パンを作る小麦ができない事
はじめは国の人たちのために頑張っていた王様が 今はなにもしなくなった事
役人の人たちが 国の人たちから 色々とお金や物をもっていってしまう事
だから私たち国民は かなしんでいると。 みんなみんな言いました。

お化け騎士の少年は 雨はどうしようもないけれど 王様や役人の人たちなら どうにかできそうだと思いました。 でも、どうすればいいのか分かりませんでした。

そんな時

この腐れきった王政を打破し 我ら民衆によって選ばれた代表によって 国民を統制し 民主主義自由主義たる政治を行なうのだ! 人民よ立て!!
人民の人民による人民のための革命を!!
広場に かなしんでいる国の人たちの前で 大きな声で話している人たちがいました。その人たちは 革命家と自分たちを呼んでいました。

その革命をするにはどうすればいいのですか?
お化け騎士の少年は聞きました

そう!革命はいつでも・・・そう 「力」だ。「力」があればすぐに行なえれる。
しかし 我らには考え導き出す事は出来るが 「力」がないのだ!!
我らは かよわい葦なのである!!
革命家達は 声をあわせてツバをいっぱいとばして言いました。

だったらボクが その「力」になります.。
お化け騎士の少年はそう言って 口を大きくビックリしている革命家達をあとにして 王様のお城に行きました。

王様のお城には 国の人たちとはアベコベに まるまると太って 楽しそうに笑って キラキラとひかる服でおどりをおどったり パクパクとおいしそうに食べている人がいっぱいいっぱいいました。

お化け騎士の少年は王様をさがして その人たちの間をいきました。

そんなお化け騎士の少年をとめようと お城の兵隊さんたちが いっぱいいっぱいきました。
でも お化け騎士の少年は兵隊さんたちを槍や 手足でなぐったりけったりして兵隊さんたちをきぜつさせていきました。

そして お化け騎士の少年は王様のすわっています王座までやってきました。

王様は お城の人たちよりもキラキラとひかる服と腰のあたりまである白い長い長いおひげをしていました。
でも 王様のおかおは とてもとてもかなしそうに 深い深いしわが入っていました。
青い目のしたには 何日も何日も寝ていないように黒い黒いクマがありました。

王様は いっぱいの兵隊さんたちにつかまれながらも歩いてくるお化け騎士の少年をゆっくりと見て 兵隊さんたちに大きな大きな声でお化け騎士からはなれるように言いました。
ビックリしているお化け騎士の少年に 革命家達のいる広場までつれていけと言いました。

広場の革命家達は王様とお化け騎士の少年を見て
見よ!我らが革命が実現した!!極めて人道的に、だ!!
気高い人民の血を一滴も流すことなく!
重い人民の命を一人も失うことなく!!
今 我らの革命は成就したのだ!!!
と大喜びしました。
そんな時に今までふっていなかった雨がパラパラと そしてザーザーと大きくふってきました。

国の人たちは
雨がふってきた事
これからはもう役人の人たちがお金や物をもっていかれない事
に喜び笑いました。

そして 赤いレンガのきれいな王国は 「王国」のかわりに「共和国」となり 誰でも自由に平等に生きていける国となりました

でも 王様は広場で断頭台にいかなければなりませんでした。

革命家達は
王様が長い間何もせずに国の人たちを悲しませた事
王政という古い古い事をしてきた事
の罪で王様は断頭台に行くべきだといいました。

そして 王様はうれしそうに 断頭台にいくことについて聞いていました。

王様が断頭台へといく日

どうして王様はうれしそうなのですか?
お化け騎士の少年は聞きました。

王様はうれしそうに 本当に心の底からうれしそうに
騎士よ。予は感謝している。予は日々 雨のふらないことで苦しむ民 役人たちの不正について知ってはいたが 何をしてもダメであったので苦しみ悩んでいた。
そして このまま時を重ねれば 革命が実行され 多くの民たちの命がなくなっていただろう。
騎士よ。この革命が 予一人の命によって完遂し 民が幸せになれるのだ。予のような愚かな王にとっては全く素晴らしいことだ。

そして王様は断頭台へと消えました。

その姿をお化け騎士の少年は 涙をながしてながして見ました。そして かなしくかなしくなって 赤いレンガの共和国を出て行きました。

断頭台はその後も毎日毎日 お城の大臣 役人 革命に反対をした人 革命家達を消していきました。
そして たくさんの人の血と命を消した断頭台は 革命をして王様を消した事に怒った他の国の王様 皇帝 教皇たちがだした大勢の兵隊さんたちによって 赤いレンガのきれいな国ごと燃やされました。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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