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君を思う今日。〜想いの先に見えるもの〜 作者:lover

第9回   無力。

慎也が死んでから3日が経った。



この3日間は葬式やら告別式やらでいろいろと忙しかった。俺は生徒会長だから学校代表でいろいろと借り出された。

式など慎也と関わる全ての場で、咲は狂ったように泣いていた。

本当に狂った赤ん坊のようだった。
母親がいなくなって、寂しがっている子供のよう。




それくらい慎也は咲にとって大事な存在だったんだ。





当然僕の胸は痛んだ。



だけど、それ以上に



咲がどうしてこんなにも泣かなきゃいけないのだろうという疑問と悲しみがあった。






そして煩わしかった。


僕は大事な人に何もしてあげることができない。






声すらかけられなかった。



泣いている原因が慎也だからってわけじゃない。



かける言葉が見つからないのだ。





「大丈夫か?」なんてわかりきった質問できない。

咲に「大丈夫だよ。」なんて無理な笑顔を作らせるだけだ。



こういうときに何て言ってやったらいいのかわからない。




いくら何でもできたって

いくら優等生だって



僕は好きな人を笑わせることもできない。













葬儀などがすべて終わって、とりあえず学校内は落ち着いた。


だけどここのところ学校内もずっとどんよりとした空気が漂っている。


当然だろう。


慎也に憧れている女の子の後輩もたくさんいた。


すでに引退していたが高校からも期待された野球部のエースだったし。



何より人気者の咲と学校一モテる慎也は、知らない人はいないんじゃないかってくらい有名なカップルだった。




だからもちろん咲への同情はすごかった。



廊下をすれ違う他クラスの生徒や他学年の後輩たちの目はいつも咲に向けられ、ちょっとした知り合いなんかは「大丈夫?」なんて声をかけていく。


だけどそんな視線も言葉も咲にとってはすべて重荷だろう。




咲の顔は事故から1ヶ月経っても暗いまま。


すっかりやせ細ってやつれていた。


以前のような明るさや華やかさがない。




もともと笑顔がかわいいという子だから、笑わないがために咲の魅力は失われていった。






来月には県立の推薦受験がある。


本当に大丈夫なのだろうか?




こんな状態で受験勉強なんてしていられるのか・・・



慎也が死んでからはファミレスに集まることもしていない。




それどころは僕は咲に必要最低限のことしか話しかけることができていないのだ。






内心は心配でたまらなかった。


このまま咲が自殺でもしてしまうんじゃないだろうかなんてバカな不安まで胸によぎる。



何よりこれからの生活を以前のように明るく送ることができるのだろうか・・・。





どうして僕は何もできない?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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