「ごめん!本当にごめん!」
私の部屋の窓の外で春喜が必死で謝っている。
ピンクのカーテンがかけられたベッドのそばにある窓は夜中私たちがいつも会話を交わす場所だ。 家はアパートの2階で、私の部屋は外の通路に沿ってある。だから2階でも簡単に窓から外に出ることができるのだ。もちろんそんなことしたことはないけど。
「先週もだよね・・・?」
海に行きたいと言ったら今週の土曜行こうと春喜が言ったのだ。
なのに試合・・・。
「最初の予定は先々週の日曜だったよね?それがもう2週間ものびて今週の土曜になったんだよ?それすらも試合・・・。」
「ごめん・・・大会終わったらさ、引退するからいくらでも遊べるからさ。」
「わかってるよ。練習試合だもん。部活だもん。ハルくんいないと野球部試合にならないもんね。」
「奈緒・・・ごめんね?」
春喜はこの前の陸上大会で優勝してしまったので、部活のあとは次の大会に向けてまた練習。おかげで2週間も一緒に帰っていない。
そして引退がかかった大会のために練習試合が目白押しのため、土日も海すら行けない。
「いい!大丈夫!じゃね!」
私はそういって窓を閉めてしまった。
ここのところケンカばかりだった。
2年のころはケンカなんて滅多にしなかった。っていうかほとんどしたことない。
なのに、サチのこと、司のこと、会えないことでケンカばかりだった。
『奈緒、怒ってる?』
すぐに春喜からメールがきた。
『怒ってない。』
『ごめん・・・。』
『来週は?いけるでしょ?』
そして30分近くメールがこなくなった。
『ごめん・・・試合・・・。』
もうメールも返したくなかった。
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