周りにいる人はみんな敵だと思っていた
上手く生きていくために自分を作って生きてきた
元気 笑顔 優しい しっかり者 優等生
ほかに何があったっけか・・・
もっとあったな
好かれるために必死だった
親にも先生にも友達にも
いつも笑って
いつも泣けなくて
でも1年前から
私は笑えるようになったんだ
とにかく隣にいてくれた
寂しい夜もそばで抱きしめてくれた
どんなときでも守ってくれた
何があっても離さないでいてくれた
声をあげて泣けるようになった
不安に駆られることことなく眠れるようになった
春喜の腕の中だけで
『幸せ』なんてわからなかったんだ
好きな音楽を聴いてるのがまぁ一番好きな時間だったみたいな・・・
抱きしめられたぬくもりは
温かくて 優しくて 『愛』を初めて感じた
愛されるってことが初めてわかった
でもその愛に少し頼りすぎた
あるに決まってると思っていたから
その愛は『私の物』だと思い込んでいたから
いつからかなくなることに不安を覚えて
たくさん疑った たくさん傷つけた
どこかに行ってしまうような気がして、あいつのすべてを縛り付けた
そうじゃなかった
不安だったのなら 傷つけてしまったのなら
すぐに言うべきだったんだ
「愛している」と
逢いたい
二度と抱きしめられることがなくても
二度と戻らない想いでも
それでもただ伝えたい
私が好きなのはあなただけだから
私が信じているのはあなただけだから
どんな私でもいつも守ってくれた人
愛している
走った。
遅くても、転びそうでも走った。
キャンプファイヤーの周りを一周してもいなかった。
春喜は体育委員だから会場係をやっているはず。 でもそこにもいなかった。
どこ?
教室、体育館、家、海、公園・・・どこにもいなかった。
どこ?
どこにいるの?
学校に戻ってみると火の後ろの方に、サチがいた。
隣に春喜はいなかった。
思いつかない。
春喜が行きそうな場所。
2年の校舎?
まさかいるわけがない。
私は春喜との思い出がたくさん詰まっているのでよく行くが、春喜が行っても意味がない場所だ。
でも、一応探してみよう。
外は真っ暗だけど、キャンプファイヤーのせいで校舎の中が灯りがなくても明るい。
2年の校舎の私の元の教室に行くと懐かしい思い出がよみがえった。
楽しかった、2年のときも。
そしてその隣には春喜の元クラスがある。
やっぱり誰もいない。
ぽたん
水の音がした。
水道は私の元クラスと春喜の元クラスの間にある。
恐る恐る水道室に入ってみると
誰もいなかった。
どこにいるの・・・?
「奈緒!」
真っ暗な校舎の中をキャンプファイヤーの炎が赤々と照らす。
声がした方に振り向くと
世界で一番愛している人がいた。
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