「奈緒、修学旅行実行委員になれたよ。」
「え、マジ!?」
私たちは来月に京都への修学旅行を控えていた。
学級委員は絶対的に修学旅行実行委員にされる。そしてそのほかにクラス2名ずつ委員を選出するのだ。
前々から絶対になって!と春喜には言っていた。
「やったぁー!!さすがハルくん♪これで一緒に仕事できる!」
さっそく放課後委員会が開かれた。
「じゃぁ最初に実行委員長決めちゃおうかぁ。」
担当の新井先生は相変わらずマイペースだ。
「はーい、やりたい人ー。」
いるわけがない。
「んじゃぁ奈緒ちゃんに決定ね。」
・・・このくそ甘女・・・。
そしていっせいに拍手が起こった。
クラスの担任も新井先生だ。委員長になったのも新井先生が半ば強引に押し付けたからだ。
「じゃあ副委員長ね〜。」
そして当然これまたいるわけがない。
「じゃぁ司くんねぇ。」
うちのクラスの副委員長、今私の隣にいる男、長島司(ながしまつかさ)だ。
司も同じく新井の強引さ(適当さ?)に負け副委員長になったのだ。
「ちょっとあんた・・・微妙な地位とってんじゃないわよ。」
「しらねーよ。新井に言え。」
いまどきめずらしいくらい真面目な男の子だ。春喜と同じ野球部でキャプテン。頭も良く、俊足の持ち主だ。
「んじゃぁ・・・まずスローガンから決めたいと思います。スローガンは学年全員が最高の旅行にできるような意気込みの入ったものを考えてくださいね。」
私はいつものように進行をしていった。そして司がいつものように黒板に書記を始めた。
「じゃあ一人ずつ聞いていきたいと思いまーす。まず1組からー、今井さん。」
「日本の歴史を学ぼう?みたいな?」
「普通すぎ。」
司は冷たく却下した。
「いいから書いてよっ!!最後に多数決で決めたほうが早いんだから!」
「はいはい。」
「次はー・・・・三原くん♪」
「こら、彼氏だけ声のトーンあげるな!」
最初の委員会はこんな感じで終わった。
私はとにかく春喜と同じ空間にいれるだけでうれしかった。
でも帰り道の私は最高に不機嫌だった。
「でさ、サチが洋介に」
春喜は3年になってから女の子の話が多くなった。
進級してすでに1ヶ月が経ち、その女の子は特定した人物に収まってきた。
「・・・サチの話最近多いよね?」
今日は妙に多かった。
「え、そう?」
「別に誰の話でもいいけどさ。」
ヤキモチを妬いてるはずなのに、決まって最後にはこういってしまう。
意地っ張り・・・本当にいい性格してると思う。
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