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花〜大切な人へ〜 作者:lover

第17回   優しい思い出と笑顔


「ハルくんっ!!!りんご飴っ!!!!」




「りんご飴って・・・お前なぁ・・・いくら?」




「やったぁ♪」




「クスクス・・・本当に幼稚園生みたい・・・。」




「うるさいなぁ。。じゃあハルくんは超ロリコンじゃん!ハルくん見た目、高校生に見えちゃうから、幼稚園生に見えるあたしといたらめちゃめちゃロリコンだよー!」



「やめてよ・・・俺は年上好みなの!」


「年上好みでどうしてあたしとつきあうの?」




「なんでだろう・・・わかんないや。」



「ひどーいっ!」



「ごめん、ごめん・・・クスクス。」



「もー!笑ってばっかりー・・・。」










いつの記憶だろう・・・。


俺はベッドに横になりながらいつの間にか眠ってしまっていた。

本当にちっちゃい子みたいに笑う奈緒が愛しくて愛しくて仕方がなかった。

普段、あいつはお菓子ばっかり食べているからあまり買ってやらないようしてたのに、そのときばかりは、食べている姿が見たいと思って買ってしまった。



思ったとおり、りんご飴を両手に持ってチマチマ食べる姿はかわいかった。



確か、3年になったばかりの頃だったと思う。

毎年、俺たちが住む街では桜が咲く季節になるとお祭りがあるんだ。



奈緒はつきあい始めた頃からずっと二人で行きたいと言っていた。


なのに俺が試合で行けそうになくて、前の晩ケンカしたんだった。

奈緒を夜だけは絶対に出歩かせたくなかった。


本当に小さい子みたいだったから。

でもあのときは昼間いけないし、自分が絶対に離れなければ大丈夫だろうと思い、泣きじゃくる奈緒に「夜、一緒に行こう」と言ったんだった。



学校のやつらにもたくさん会った。

卒業していった先輩たちにもたくさん会った。


たくさん冷やかされた。

みんな二人でいるのが当たり前だと思っているのだが、やっぱりこういう人が多いところでは目立つみたいだ。



でも、俺は絶対に奈緒から離れなかった。

恥ずかしがるなんて言ってられない。


それよりも、奈緒といたかったんだ。






「昔の話だな・・・。」



俺は必死で頭の中から記憶を摩擦した。




携帯を見るとサチからメールがきていた。

『はーるきぃ!!あのね、今日部活の打ち上げで先生が』


そんなありきたりのメールに思わず微笑んでしまった。

サチはすごくかわいいと思う。



3年になるまで話したこともなかったが、クラスが一緒になってからは趣味も合うし、明るい子だし、実際に大人っぽい雰囲気とか見た目に表れててかわいかった。

俺の好みなんだなぁと思う。


でも奈緒とは正反対だ。


あいつは見た目はかなり童顔で子供っぽいが、中身はすごく大人だ。

委員長とかよくやってるし、頭もいい。運動神経は相当ににぶいけど、それでもいつも冷静で強い。

そんな中でも時々見せる弱々しい姿を見たりして、守ってやらなきゃとも思ったりした。




サチは見た目はすごく大人っぽくて、きれいな顔をしている。

服とかも大人っぽかった。

でも中身はすごくかわいらしくて、結構子供っぽい。


奈緒は時々俺が守らなきゃって思っても、俺自身が奈緒の強さに守られていたと思う。


サチはその子供っぽい弱さをすべて俺が守ってやらなきゃって思った。




できるのだろうか?


できる。きっと。


サチが好きだから。






サチでいっぱいになれば奈緒の夢なんて見ない。



あんなに幸せでワガママな奈緒の笑顔なんてもう見ないはずだ。








『サチ、今からそっち行っていい?会いたい』


俺はサチにメールを送信した。


サチに会えば、こんなモヤモヤなくなるはずだ。





サチは家の前で飼い犬とたわむれていた。



奈緒もキキとよくじゃれてたっけ。


この期に及んで、まだ奈緒の姿が思い浮かぶ。


よく奈緒の家で夕飯をごちそうになったとき、飼い犬のキキと奈緒がじゃれていた。




「ごめん、おそかった?」


「ううん、全然っ!」



奈緒は俺が遅くなるとほっぺをふくらませて「遅いっ!」なんて怒っていた。



「俺さぁ」



そしてありふれた会話をする。


サチの大人っぽくてイタズラな笑顔を見て俺は心の底からかわいいと思った。

幸せだと思った。



でも思い浮かんだのは


奈緒の子供みたいな優しくて心の強い笑顔






1時間くらい話をしてから、俺は家へ帰ることにした。




サチの家の近くには奈緒の家がある。






「だーかーらー!桜井!お前におごったら俺の金がなくなるの!」


司だ。



「えぇー!だって暑いんだもん。あんただってアイス食べたいでしょ?」


「まぁね。」


「なら決定♪」



隣で笑っているのは制服姿の奈緒だった。










家に帰ってまたベッドに寝転んだ。


思い出すのは司と奈緒の姿。



なんで二人でいたんだろう?


つきあってるのか?



好きな人なんていないって奈緒言ってたしな・・・。


でもサチにはできたって言ってたんだっけ。


奈緒のことだからきっとサチを安心させようと思って言ったんだって思ってたけど、本当なのか?






ふと寝返りをうつと、そこには奈緒の寝顔があるような気がした。



ここで、俺は奈緒を抱きしめた。


これ以上に愛しいものはないって思って強く抱きしめた。





奈緒を守って


奈緒に守られて


俺たちはやってきたんだ





あどけない寝顔に何度キスをしただろう。


眠たそうにしている奈緒に何度キスを求めただろう。




何度奈緒の笑顔を見ただろう。




ふわふわのクセ毛の長い髪
奥二重の垂れ下がった優しい目
触るとつい顔が緩みそうになるやわらかい頬
細いわりにはちょっとした肉がついている腕とかお腹
俺の鼻をくすぐるあのシャンプーの香り
怖い映画が平気だと言うくせにびっくりして俺に抱きつくやわらかい体




強がりで
意地っ張りで
素直じゃなくて
頑固で


しっかり者で
面倒見がよくて
困っている人を助けずにはいられなくて
妙に人の気持ちとかに敏感で


でも本当は普通の女の子で
泣くこともあるし
不安になることもある

だけど優しくて強い心を持っている






俺は・・・・・・俺が好きなのは・・・誰なんだ?



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Novel Editor by BS CGI Rental
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