「あ、やっぱり?そんな気がしたー!」
言っていることは周りからするとむちゃくちゃだと思われたかもしれない。
だって涙が溢れている。
「え、あ、サチでしょ?ってかあたしとつきあってるときからそんな気配あったじゃん!仲良かったしね!」
「・・・奈緒・・・・。」
「サチかぁ・・・かわいいもんなぁ。。いいなぁ、カワイイ彼女作れて(笑)まったくずるいよねぇ。あたしはいまだに一人だっていうのに、自分だけー!」
「奈緒・・・もういい・・・。」
「ってかあの二人お似合いじゃない??サチってさ、中身はすっごくかわいいけど見た目はクール〜って感じだもんねぇ。あいつにはあたしみたいなぼーっとしたやつより合ってるよねぇ!」
口が止まらない。
そして涙も止まらない。
みんな私の顔を直視していない。
下を向いてただただ私の顔から目を伏せていた。
「やだ、やめてよー。だいたいあたしが悪くて別れたんだし!ね?ってかもう気になる人できたしさっ!」
「奈緒!もういい!・・・もういいから・・・。」
葵は泣きながら私を抱きしめた。
神さま
どうして『想い』はぶつかりあわないのでしょう?
あなたが私を想っていてくれるとき、私はあなたの愛を信じなかった。
私があなたを想うときには、もうあなたの愛はそこになかった。
ごめんなさい
どうか
どうか
あの笑顔を
返してください
私にはそれしかないんです
気がついたら知らないベッドで眠っていた。
「あ、起きた?」
ふと横を見ると葵がそこにいた。
そして隣には朔ちゃんと司が。
「ごめん・・・サチも春喜も来ること知ってたんだ・・・。でも言わなきゃって思って・・・。」
葵が申し訳なさそうな顔で言った。
「・・・みんなは知ってたんでしょ?」
「・・・うん・・・ごめん・・・。」
朔ちゃんも司も下を向いていた。
「あ、気にしないでよ!みんなのこと責めてるんじゃないよ?だってみんなあたしのこと考えて知らないフリしてくれたんでしょ?だってあそこにいたのってさ20人以上いたのに誰一人としてあたしに言わなかったんだもん。だから今日までなんとなくしかわからなかったし。みんなに感謝しなきゃ!!」
できるだけ笑顔で答えた。
みんながすごく私に気を使ってくれてるっていうのがわかったから。
「サチね・・・ずっと気にしてる・・・。奈緒怒るかなって・・・。」
「それでさ・・・あいつら最初つきあえなかったんだって・・・。奈緒たちさ別れてもう2ヶ月じゃん?で・・・1ヶ月前くらいからそうなってたみたい。」
「・・・あたしのせいなわけだ?」
つい言ってしまった。
「ごめん・・・違うよね。うん、別にさサチのことが本当の原因で別れたとかそういうわけじゃないし・・・そりゃあたしが不安になったのはサチが原因だけど、でも・・・信用しなかったのが悪いわけだし・・・ってゆーか幸せそうなハルくん見るとね・・・うん、応援しなきゃ。」
そんな言葉がよくも易々とでてくると自分で自分に関心してしまった。
本当にそんなこと私の心は思っているのだろうか?
自分が醜くて醜くて仕方が無い。
「そっか・・・でもね、うん・・・忘れるのにちょうどいいっていうか・・・桜井、結構ひきずってたしな。」
朔ちゃんはいつものマイペースな笑顔で言った。
この笑顔を見ると何でも大丈夫に思えてくる。
「桜井・・・、みんないるし。な?」
司は短い言葉でも優しい目でこちらを見つめている。
本当に仲間たちに感謝だ。
ここにいる葵、朔ちゃん、司だけじゃない。
いつもバカ騒ぎするお祭りに来ていたメンバーにも感謝だ。
私は葵たちが部屋からでていったあと、携帯を取り出した。
そして1通のメールを送る。
『サチ?よーく聞いてね?あたしはね、もう春喜のこと好きじゃないよ?本当にね。そんでサチのことも春喜のことも友達として本当に大好きだから、応援してる。もうあたしのこと気にしないでいいんだよ?サチと春喜は自分の気持ちでつきあうって決めたんだから。実はね、もう好きな人できたんだぁ!(秘密ね笑)だからあたしも新しい恋に向かって頑張るの。サチたちも頑張るんだよ(^ー^)応援してるからね!』
何をいい人ぶっているのだろう?
素直に言ってしまえばいい。
「あたしは今でも春喜が大好き。」
きっとサチは私を怖がって別れる。
元々すごく私に媚びるところがあったから。
でもサチを好きだというのは本当だ。
友達としてすごくいい子だと思う。
そして私とは正反対。
素直で、かわいくて、春喜のありったけの愛を信じる。
だから春喜が今必要としているのは
サチだけ。
もしかしたら元に戻れるかもなんて期待も少しあった。
いつもみたいに戻れるかもって思ってた。
でも、サチを心から好きっていうのがわかったからその期待は粉々に砕かれたんだ。
サチも春喜も大好きだから幸せでいてほしい。
そして春喜を心から愛しているから、春喜の幸せを絶対に壊したくない。
私とつきあっているときふと考えるときもあった。
私はみんなに優しい子とかいい子とか言われているけど、心の中は本当はドロドロだ。
こんな私より、もっともっと春喜を大切にする純粋で素直な女の子いるはずだと思って春喜に抱きしめられながら泣いたこともあった。
春喜は何で泣いているかわかっていなかったけど。
だから
だから私は大好きなあなたの幸せを心から願うわ。
でも、お願い。サチ。
春喜を思う気持ちは止めたくても止められないの。
あなたたちの幸せを願う。
でも私から春喜への想いを奪わないで。
これだけは残してください。
春喜、好きよ。
大好き。
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