食事の時間になっても咲に話しかけられなかった。
気持ちを知られてしまった・・・普通にできるわけがない。
咲はすっかり笑顔でおいしそうにお肉を頬張っている。
「なぁ・・・俊太郎・・・どうしよ?」
俺は生まれて初めて心から焦った。 こんなに焦ったことはない。
「・・・でもまさかお前が真中を好きとはなぁ・・・。」
俊太郎は少し呆れ気味で言った。そして覚悟を決めたように言った。
「いつから?」
「・・・入学式。半分一目惚れみたいなもん。」
「ロリコン・・・。」
「お前には一生わかんねーよ。咲のかわいさ。」
「いや、かわいいとは思うよ。だけど俺もみんなも 『妹』って意味でかわいいって言ってるよ。だから女として本気になるのはわかんねー。」
「・・・それでも好きなんだよ。」
「まったく・・・早く言えよ。どうせお前のことだから誰にも言ってないんだろ?だけど今日ので少なくとも真中にはバレたからなぁ・・・まぁいい、応援してやるよ。」
「ありがと・・・。」
弱さを知られてしまった以上、できる限りのことをするしかない。 頑張ろう。
「ってかまず真中本人に知られたのはどうすんの?」
「どうしよう・・・それが今頭の中ぐるぐる回ってるんだよね。」
「めずらしいな、お前が焦るなんて。いつも気持ち悪いくらい冷静なのに。」
「仕方がないだろ・・・。」
俺たちはそんなことを話しながら風呂に向かった。
「まずさ、これからどうする?真中に気持ちを知られたまま頑張るんだろ?」
「まぁそれしかないよな・・・今から否定なんてできないし。でも無理だろ。あの二人の仲裂くのは・・・。」
「だろうな。もう見るからに相思相愛だし。」
「はぁ・・・。」
「ってかさ、真中いっつもお前にひっついてるんだから少しくらい気あるんじゃねぇの?」
「あるわけねーよ・・・あいつからすれば俺は言うことを聞く召使・・・無理。」
「まぁ待て。この修学旅行、とにかく状況を変えろ!俺がいろいろ聞いてみるから。な?」
いったいどうなるんだろう・・・。
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