それから毎日二人三脚の練習が行われた。
夏休みに入ってからは勉強もあるので月曜から金曜までの夕方から。
「ちょ、ちょっと悠!!早いってー!」
ペアになってからは前ほどではないが普通の会話くらいはするようになった。というかしなきゃいけない状況なのだけど。
「お前が遅いんだよ。まったく本当にどんくさいなぁ。」
俺は地面に尻餅ついている咲に笑いながら手をのばした。
「う、うるさい!!!どんくさいのはうまれつきだもんっ!」
本当にかわいい。
こうやって必死で俺の言うこと一つ一つに抗議してくる。
暑い中、顔中砂だらけにして、体操服も転んでばかりだから砂だらけだ。 ペアになってる俺もだけど。
だけどそんな砂だらけになっても、汗かいてても、かわいかった。
一生懸命やってるのがすごくかわいいんだ。
がんばって走ってもすぐ転ぶくせにね(笑)
「もうっ!悠のせいだよー!悠、足速いじゃんっ!あたしと走ったって合うわけないもん!」
「ごめん・・・でもさ、俺がんばってお前に合わせるよ。ってか頑張って合わせてる。だからさ、もっと咲もお互いのことを考えて二人で合わせてこう?咲が転ばないようにサポートもするし。」
俺は優しく言った。
今までこんなに優しく咲に何かを言ったのは初めてだった。何を言うにも優しくしたいのに意地を張ってつい嫌なことを言ってしまう。
だって咲はかわいいんだ。かわいすぎる。
だから・・・素直になれないんだよ。
俺の言葉から咲はぐんぐん上達していった。
おそらく俺のことを考えてくれるようになったんだろう。
おかげでペアを交換せずにすんだ・・・。
密着する体が熱くなったり、咲の笑顔にドキドキしたりもするけど、いい感じの夏休みが始まったような気がする。
もう君のその笑顔見れないと思ってたんだけどな。
君のこと好きな僕に君はその優しい笑顔見せてくれるんだね。
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