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君を思う今日。 作者:lover

第10回   泣かせたのは僕。

はて?この発言・・・悠に勝ち目はない?


【悠視点】

俺は友達と話しながら、俊太郎の帰りを待っていた。
俊太郎はここから見えるところで咲に質問を繰り返しているようだった。だけどここからでは会話の内容まで聞き取れない。

結婚式が行われるようなこの宴会場では先生たちもハメを外しているようだった。

僕はふと考えた。

咲はもう僕に前のように接してくれないんじゃないか・・・。

いまさらになって後悔しだした。

慎也にキレられたときは、もう全てを投げ出してでも咲を奪ってやろうという気持ちになっていた。

抱きつかれたとき少しだけ期待をしてしまったんだ。
「部屋に飾って」と言われたとき希望を持ってしまったんだ。

もちろん今までもそういうことはあった。

やけに体がくっついたり、手と手が触れ合っただけで、僕の体は反応した。
咲の言葉一つ一つに心を弾ませ期待したこともあった。

だけどそのたびに自分に言い聞かせていた。

「咲が見ているのは俺じゃない」

そう言って、気持ちを伝えることを自分で制御していた。


でもあの時は我慢できなかったんだと思う。

目の前に慎也と咲がいて、気持ちが溢れてしまったんだろう。


そしてヤケになってあんなこと言ってしまったんだろう。


と、俊太郎が戻ってきた。


「・・・ただいま。」

「どうだった?!」

「あぁ!聞け!あのな」



「悠!」


聞き慣れた、だけど何よりも愛しいソプラノのやさしい声が俺の名を呼んだ。

「さ・・・き?」

驚いた。もう話しかけてくれるとは思っていなかったから。

「あのさ、あたし気にしてないから。その・・・悠が言ったこと。今まで・・・友達だったでしょ・・・?だからそんないきなり関係変わんないじゃん!んで」

「何が言いたいわけ?」

途中までで何が言いたいかがわかった。
咲は俺の気持ちを受け止めることはないんだ。

「やめろ!悠!」

俊太郎が止める。

だけど止まんない。

「あのさ、この際言っておくけど、あれ冗談だから。慎也がキレてるからケンカ買ったっていうか・・・とにかく俺、お前のこと好きじゃないし。考えろよ、俺がお前を好きになるわけないだろ。」

口が止まらない。

わかってる。

俺の発している言葉がどれだけ目の前にいる命よりも大切な女の子を傷つけているか。

だけど俺は・・・自分を守った。

「勘違いすんなよ。有り得ない、有り得ない。」


パシンっ!


「最低っ!」


泣いていた。

顔をくしゃくしゃにして、泣いていた。


泣かせたのは俺だ。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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