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彼の恋人になりたい 作者:七原さとみ

最終回   何はともあれ結果オーライ!
ドラマ『PINKEY!』の撮影が終了。
季節はすっかり秋。

「中宗さん、明日ちゃんと空けといて下さいね。」
「うん。沙保ちゃんこそ遅刻しないでね。」
「わかってます!」

あれから私たちは付き合ってはいない。けど少なくとも友達以上。
中宗さんの心にあの人がいても諦められない気持ちが強いし。
そういえば創士にはちゃんと伝えた。
私が好きな人を。それから歯切れの良い別れ方をした。

えりこさんとはあれから会ってないけど、
きっと彼女なりの応援だったのかなって思う。

それからそれから、雑誌の撮影の仕事も来たし結構順調。
『PINKEY!』も明日から放送。
テレビとかはそう簡単にでさせてはもらえないみたい。

私たちはあれからちょっと進んだのかな?
私はちょっとだけ大人になった。
もちろん精神的な意味で、最も芸能人らしくなった気もする。(※芸能人です。)

スキャンダラスな関係ではない気がする。
ただ付き合ってはないけど一緒にいる。
中宗さんの元カノとの関係と等しい気がする。
けど私は絶対死んだりしない。
ずっと中宗さんのそばに居たいと思うし。

「あー!聞いたんだけど山手さん、ハリウッドデビューだってさ。」
「すごいね…沙保ちゃんも頑張らないとね。」
「中宗さんもハリウッドデビューの日は近いんじゃないですか?」
「そうかもね。」

気付いた人も居ると思うけど呼び方に変化が。
名前で呼んで下さいってお願いしたんだ。
私も『由宇』なーんて呼んじゃったりして。
恥ずかしすぎる…。

「あぁ!山手さん、結婚するらしいですよ。私たちも…。」
「調子にのらないの!君はまだ17歳だよ?」
「一応結婚できるよ?」
「ダーめ。女優業を今は頑張ること。」
「ふーい。」

そうだな。いつか結婚できたらいいな。
それまで他の女になびかないように注意しなきゃ。

まぁ…何はともあれ結果オーライ!










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Novel Editor by BS CGI Rental
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