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彼の恋人になりたい 作者:七原さとみ

第1回   17歳の夏の終わり、私の恋が始まる…
「沙保ちゃん、決まったよ。今度のドラマ出演が!」
「本当ですか?」

私、若林沙保は高校生でありながら若手女優。
今度のドラマ『PINKEY!』の出演が決まった。
事務所『メイクプロダクション』のオーディションに受かって三ヶ月目、
初仕事です。

「沙保ちゃんの役は主人公の元カノの妹役。(フラレ役だけど」
「結構良い役もらえましたね!(フラレ役だけど…」

初出演のワリには出番も多そうだし、頑張らなきゃ。
えーっと…主演には『中宗由宇』…?事務所の先輩だヮ。
聞いたことあるけどまだ会ったことないなぁ。テレビでは見たことあるけど。
そしてその元カノ役には…『山手美月』さん?!
私大ファンなんだよね〜、山手美月さんの。
美人だし、演技上手いしっ!

「中宗くんも居るし、大恥かかないように頑張ってね。沙保ちゃん。」
「あのっ…山手さんに会えるんですか?」
「まぁね。彼女にも迷惑かけないようにね。」
「はい!」

撮影は一週間後かぁ。それまで台本で練習でもしてよっと♪
でも妹役ね…実際二歳くらしか年齢離れてないし。
役では五歳差だしね。まぁ、若く見られれば大丈夫かなぁ〜?

「沙保ー、ドラマ決まったんだろ?良かったな〜。」
「慶ちゃん!もしかしてママから聞いた?」
「近所中回ってるぞ。」
「もうっ、ママったら…」

二宮慶一郎、私より3つ年上の近所のお兄ちゃん。
慶ちゃんは東●大学に通っていて頭がすっごくいいんだよ。

「沙保の撮影見にいこっかなぁ?」
「やめてよー。」

みんな応援してくれるみたい。
なんか女優って感じになったなぁー。嬉しいなっ。

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「おはようございまーす。」
「ああ、沙保ちゃん。丁度良かった。中宗くんが来てるよ。」
「こんにちは。」

生で見たっ!すごいよ!私、事務所入りしてから芸能人に会ったことないもん。
でも本物はやっぱかっこいいなぁ。
爽やかで…テレビよりもやっぱ生が一番だなぁ。

「きょっ、きょんにちは!」
「高校生なんだよね?まだ。」
「はい。…中宗さんは何歳くらいなんですか?」
「僕は20だよ。」

三歳年上なんだ…なんとなく人気な理由はわかるな。

「沙保ちゃん、台詞合わせしてもらったら?」
「あ…はい!」

いいな、中宗さんて…綺麗な顔してるし、演技力あるし。

「『都筑って…都筑香世の妹の…』」
「『は…はい。姉のお友達の方ですか…?』」
「『まぁそんなとこかな。お姉さんは元気?』」
「………」
「若林さん?」
「あの…私…」

中宗さんを見ると顔が赤くなっちゃう…。
なんで?こんなの…創士の時以来…。

「……御手洗いに行ってきマス…」
「?うん。」

17歳の夏の終わり、私の恋が始まる…









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Novel Editor by BS CGI Rental
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