結局、何も言わないから放っておいた。
言わない方が悪い。
沙耶は聞いた。
「さようならぁん♪♪」
金管で4年生と別れ、家に帰る。
「ただいまぁ〜」
慣れた手つきで靴を脱ぎ、部屋に行き乱暴にランドセルを置く。
「おかえり・・・。パパ帰ってきたら行くからね」
涙で目が真っ赤になっている。
そう・・・。
今日沙耶の曾じいちゃんが亡くなった。
明日はお通夜だから夜通しで行く。
曾じいちゃんは仲良くしてくれたし、お小遣いもくれた。
優しい。
でもね、病気が悪化したので病院に入院した。
「ただいま。荷物まとめた?」
「あ!おかえり。まとめたよ!」
コンビニでお菓子を買い車の中で食べているうちに寝た。
狭かったけれど安心できた。
近くに家族がいるから・・・。
「耶・・・沙耶!着いたよ」
「〜ん??何時ぃ??」
「夜中の3時。真っ暗で危なっかしいね。パパに手ひかれていきな」
「うん〜・・・」
記憶はそこまでしかない。
後は寝ながら布団についたと思う。
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