■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

沙耶の詩。 作者:音姫沙耶

第23回   “かわいそう”
その日から休み時間は琴ちゃんとしか話さないようになった。


と言うか、避けられている。

沙耶が来れば陰でコソコソ。

「沙耶!うちは沙耶のことわるくないって知ってるからね♪」

「アリガト♪♪」

でもね、不愉快だったんだ・・・。

陰でこそこそ言われたから。

「ねぇ〜。沙耶〜。怖いんだけど〜」

・・・。

「ねぇ。沙耶ってば・・・」

「そういう態度取るからじゃねぇの?自覚なし??」

「・・・ざけてんじゃねぇよ!!!!!!」

何5人がかり??


「1人じゃなにもできねぇくせに殴ってんじゃねぇよ!!!!!」

この一言で止まったんだ。

「・・・一人ぼっちでかわいそうだねぇ。琴ちゃんかわいそ〜」

「・・・よ・・・・え・・・よ」

「何?聞こえな・・・」

すると沙耶は1人の女の耳をぐいっと引き寄せて耳元で言った。

「かわいそうとか思ったことねぇくせに言ってんじゃねぇよ。クソがよ!!」

「先生に言うから!!」

「先生頼り?なっさけな〜!」

そう言うと5人は逃げていくように去った。


「沙耶!大丈夫?」

「・・・いね」

「ん?」

「琴ちゃんは優しいね。」

「どうして??」

「こんな沙耶でもそばに居てくれるから・・・」

「沙耶は、色んな傷を負ってるのを知ってるからかなぁ?」

瑞希と琴ちゃんと梨奈・・・。

友達はそれだけだった。

後は何1人許したくない。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections