沙耶の詩。

作者：音姫沙耶

第19回 　 ハンソク技。それは愛しい技。

・・・ 愛しいよ 懐かしいよ 暖かいよ 幸せだよ ・・・やっぱり大好きだね。 「ちゃんと風邪引くからバカじゃないもん♪」 声のトーンはいつもより高く明るい声。 「じゃあアホだな！」 この会話がとても奇跡に見えたんだ。 だってね、世の中には 会いたくても会えない人 好きな人が死んでしまった人 離れ離れの人 言葉が通じない人・・・ 色々な苦しさを持っている人がいる。 だけど沙耶は 会いたかったら会える 好きな人は生きている 隣の席 言葉は通じる こんなに大きな幸せをもっているんだ。 「椎名は〜。ん〜。ドバカだねぇ！！」 涙が出そうだよ。 幸せすぎて。 幸せ涙。 「お前はドアホ！」 好きな人がいるってこと知ってるけど、 “好きでいていいですか？” 椎名に心で聞いたよ。 “いいんじゃね？” って言葉は返ってこなかった。 けれど、椎名は微笑んでいた。 「沙耶・・・」 勇気を出して聞いたようなそんな声 「何？」 冷たい態度で返す。 「ごめんなさい！！！」 「え？」 想像もつかなかった言葉。 「本当は少しからかうつもりだったんだ・・・。」 あぁそっか・・・。 「え！そうなの？こっちこそごめんね？？これからも仲良しでいてくれる？？」 「沙耶がいいなら！！うちの方が悪いし！」 幸せ？

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections