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沙耶の詩。 作者:音姫沙耶

第18回   裏切りというもの。
「・・・よし!復習終了だぁ。」

少しでも心の傷が深まらないように復習したりと大変だ。

でもね、心の傷は何故か日に日に深まっていってる。

学校に行くと琴ちゃんがいた。

「あ。おは・・・」

「・・・ごめん。沙耶。あたしねー・・・」

何この前ふり。

聞きたくない。

「椎名が好きになったのー。」

ぺたんと力なく座った。

「悪気はない・・・」

涙がぼろっぼろ出てきた。

理解できない。

一つも・・・。

「・・・沙耶?」

「で・・・いで・・・」

「え・・・」

「沙耶って呼ばないで・・・」

「なん・・・」

「何でって・・・」

沙耶の中の何かがなくなった。

「もう・・・生きてる意味もなくなったじゃん!!」

おそろいのストラップを大雑把に取り教室の戸を勢いよく開け投げた。

「最低だよ・・・!大嫌い」

「待って!沙・・・」

「・・・触んないでよ。呼ばないで。話しかけないで。」

もう心を開く友達もいないの???

どうすればいいのかな??

「・・・さよなら」

分裂。

この言葉が合うね。

今日、沙耶は裏切りと言う行為を行われた。

心に包丁が入った位悲しい。

「沙耶さん。答えてください」

「・・・」

「答え・・・」

「9」
椎名。

椎名が答えた。

「しいな・・・・?」


久し振りに呼んだ名前は何故か暖かく懐かしいものだった。

「・・・バーカ」

ハンソクだよ?

その笑顔。

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