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沙耶の詩。 作者:音姫沙耶

第17回   痛み。

「何したの?」

「泣くなよー」

「沙耶ー」

「大丈夫?」

ねぇ。本当にそう思っているの?

大丈夫なんて思っている??

“そんな言葉いらないよ”

5時間目サボっちゃった・・・。怒られる。

「沙耶!何やってんだ!!!!」


「何で抜けた。」

「・・・別に」

「理由がないなら抜ける必要ないだろ」

「・・・あります。」

「何だ。」

「いいたくありませ・・・」

パンッ

ビンタが直撃する。

「しらっばくれた態度を・・・」

「何がわかるの!?何も理由も知らないくせに!」

「言わないから・・・」

「言わないほどの理由だってあります!!!!!!」

もう嫌い。

全てが嫌だ。

生きたくない。

こんな世界。

これを乗り切るのが“前進”なの?

今はそんな“前進”をする勇気がないよ・・・。

神様。沙耶・・・何もしてないよ???

沙耶はただ1人の人間に好意を抱いただけ。

沙耶はただ1人の人間の為に努力をしただけ。

沙耶はただ1人の人間のために尽くしただけ。

・・・ねぇ。ただそれだけなんだよ???

どうして笑顔を奪うの??

どうして幸せを奪うの??

どうして??

それを奪うのが神様の仕事なら沙耶は神様を敬いたくないよ。

「・・・もう戻んない・・・。終わりなんだよ?」

琴ちゃんに告げた。

「・・・そうなのかな・・・??」

「戻んないよ・・・。心の傷が癒えない。」

「・・・沙耶にはね」

「沙耶には??」

「沙耶はカワイイからきっと手を差し伸べてくれる人がいるよ。」

「ほんとう?」

「うん・・・。その日が来るのはずぅっと先かもしれない。でも、来る」

・・・沈黙を破り、琴ちゃんが話し続ける。

「沙耶を待っている人もいるんだよ。」

「・・・な。。ゃ・・・め・。・・」
「??沙ー・・・」

「椎名じゃなきゃだめ。。。椎名しかいないの・・・」

「・・・沙耶。」

「じゃあ、今までどおり頑張ろう??」

「また、頑張るの?」

「当たり前でしょ?」

「・・・・・・時間掛かるよ?」

「それでも・・・。頑張ろう?」

「心癒える日が来たら、一緒に頑張ってくれるの?」

「約束♪ね?」

一つの約束を交わした。

それは果てしない位苦しいものだったのかもしれない。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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