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乙女色 〜心の詩〜 作者:音姫沙耶

第27回   決意。
さようなら。


椎名に頼っている訳ではいけない。


“自立”と言う一つの事を成し遂げなければならない。


♪・・・♪

この着メロも変えなきゃね。

椎名とあたしが大好きだった曲だもの。

『椎名へ。  さようなら。大好きです。 沙耶』

涙でぐしゃぐしゃになった紙。


沙耶>「椎名。大好きだよ。さようなら」

茶色のブーツを履き、椎名からもらったブレスレットをを外し・・・・。


“自立”このたった二文字のことを成し遂げる。

さようなら。

そしてありがとう。



大好きだった。


初めて君に恋した日、記念日だね。

最高の記念日・・・。

いや、全てがきっと・・・。



記念日・・・。



手をつないで
キスをして
笑いあって
泣きあって
喜びあって


一つの試練を2人で乗り越えた。


だから・・・。


これからはね

一つの試練を一人で乗り越える力を身につける。

ハードルを高くする。

頼れる人がいない。


自分に頼るの。


さようなら。



寮に最後の挨拶。

「今までアリガト!!!」最後の挨拶。


生徒会室に挨拶。

「会長は誰になるんだろうね?」



その頃の椎名。

頬が濡れているのに気づく。

「沙耶?」

倉庫を見てもいない。


ドコにもいない。

涙で破れかけた紙。


「さようなら」


その文字を見た瞬間椎名は走り出した。

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